2分でわかるアメリカ

2010/11/04真っ赤に染まったアメリカが変わる


2年前に真っ青だったアメリカが真っ赤になりました。どういうことかと言いますと、アメリカ地図に下院議員の議席数を色分けするメディアが多いのですが、きのうの中間選挙では共和党(赤)が圧勝、地図が真っ赤になったのです。

民主党のシンボルは青いロバ、共和党のシンボルは赤い象です。1874年の新聞に掲載された風刺漫画がきっかけで、2大政党はこのシンボルを100年以上使っています。当時はカラー印刷の新聞があったとは思えないので調べてみると、赤と青の色分けは、2000年からはじまったそうです。

選挙の結果はほぼ予想通り、共和党が下院の過半数を奪還しました。上院は民主党が過半数を維持したのですが、全議席が改選された下院と違い、上院は議席の3分の1だけが改選だったためで、知事選挙の結果とあわせて共和党の圧勝と言えます。

それでは選挙後にどうなるのか。いくつかの点が変わりそうです。まず、マーケットが注目している減税の延長。ブッシュ政権時代に暫定的に導入されたために「ブッシュ減税」と呼ばれる減税について、オバマ大統領は高額所得者以外の減税のみ延長したい考えでした。しかし、選挙で国民が「ノー」と言ったに等しいため、共和党が主張する全ての層の減税延長が決まる公算が高そうです。

また、オバマ大統領は、積極的な財政出動で景気を刺激したかったのですが、共和党は「歳出削減は増税と同じ効果がある」として財政健全化を主張、イギリスのような「小さな政府」を求めています。この点でもオバマ大統領は譲歩を余儀なくされそうです。

主要メディアの一部は、「オバマ大統領が2年後の大統領選挙で再選されないかもしれない」と伝えています。16年前の中間選挙でも当時のクリントン大統領が所属する民主党が敗れましたが、路線を大きく修正し、2年後に再選を果たしました。つまり、オバマ再選は財政再建と成長の両立を目指す中道へシフト出来るかにかかっています

 オバマ大統領は選挙後の記者会見で「厳しい選挙だった。2012年も厳しい選挙になる」とした上で、「これまでも妥協してきた」として、共和党と協調して経済の立て直しを目指す姿勢を示しました。

[November 03, 2010] No 010283 

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.05.26 更新「溶岩の川」、噴火で50%キャンセルメモリアルデーが絡む今週末の連休に、知人がハワイで結婚式をあげます。日本人だけではなく、ハワイで人生の新たな門出を誓うアメリカ人が意外に多い。知人が結婚式の会場…
  • 2018.05.25 更新輸入車25%関税の衝撃トランプ政権は23日、自動車の輸入が安全保障におよぼす影響について調査を開始すると発表しました。予想されていたことですが、それでも世界に衝撃を与えました。アメリ…
  • 2018.05.24 更新微妙な関係、米朝首脳会談と米中貿易協議トランプ大統領は22日、訪米した韓国の文在寅大統領とホワイトハウスで昼食をはさみ2時間にわたり会談しました。北朝鮮の体制維持などで意見を交換したもようです。会談…
  • 2018.05.23 更新「相当な確率でビットコインはゼロに」去年後半から年初にかけて世界を騒がせたビットコイン。一時は2万米ドルまで上昇するとの強気な見方がありましたが、最近では聞きません。低調な取引が続き、8000米ド…
  • 2018.05.22 更新「夜の灯」で景気判断、独裁国はGDP水増し?ワシントンポストに興味深い記事が掲載されました。中国、ロシア、その他の独裁国家がGDPを15〜30%「水増し」していることを衛星写真が強く示唆しているというもの…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ