2分でわかるアメリカ

2017/07/22「お金持ちの掟145」ビリオネアは生涯現役

資産総額が10億米ドル(約1120億円)を超えるビリオネアが世界に2,043人います。フォーブスの2017年版世界長者番付。国別ではアメリカが565人で、世界のビリオネアの約4分の1がアメリカ人という計算です。日本は33人でアメリカの17分の1。

トップ10にはアメリカ人が8人。企業の創業者がずらり並びます。早期に退任し慈善活動をはじめたビル・ゲーツ氏は例外ですが、アメリカのビリオネアは生涯現役を通す傾向が強いです。

例えば、ウォーレン・バフェット氏。86歳と高齢ですが、バークシャ・ハザウェイの会長を退く意向がないようです。株式総会を仕切り、メディアに積極的に登場しています。健康状態も良好で、次の投資家先を探る日々を続けています。

1989年から1991年にかけて小糸製作所の筆頭株主になったことで「乗っ取り屋」もしくは「グリーンメーラー」と日本で呼ばれたブーン・ピケンズ氏は現在89歳。アメリカでは「石油の巨人」として知られています。脳卒中で先週倒れ入院中ですが、精神的には強固で、歩みつづけるとの声明を20日に公開しました。

68歳で石油会社メサ・ペトリアムの会長を退きますが、すぐにエネルギーに特化した投資会社を創業。ビリオネアになりました。命が尽きるまで投資を続ける意向です。過去にも脳卒中を起こしていて言語障害が残りましたが90%は回復したとしています。

一方、トランプ支持者としても知られるペイパル創業者でビリオネアのピーター・ティール氏はイモータル(不死身)を夢見ています。あらゆる手段で長生きし、成功を享受したい意向です。

アメリカには世界最高の医療技術があります。同時に医療費も世界最高。トランプ大統領の肝いりで医療保険改革法(オバマケア)を変えようとしていますが、代替案が成立する見通しはありません。

代替案は、お金持ちに非常に有利、貧乏に不利だと分析されています。ガーディアン紙は、ビリオネアが「不死身」の夢を語る一方、3000万人が無保険者になる法案が議論されていると伝えました。ビリオネアの大統領を選んだ国の宿命でしょうか。


[July 21, 2017]  No 031843698






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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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