2分でわかるアメリカ

2010/11/03歴史的な1日と選挙後のアメリカ


「津波が押し寄せる」「歴史的な変化」。主要メディアが今回の中間選挙をこう評しました。

きょうは中間選挙の投票日です。僕は選挙の開票をテレビで見るのが好きで、今夜は遅くまでテレビにかじりつきそうです。アメリカは国が大きいため、時差の関係で開票が早くはじまる東海岸の結果が出た後でも、西海岸やハワイではまだ投票中です。

オバマ大統領が当選してから丸2年が経ちましたが、経済は一向に改善しません。期待が大きかっただけに、その反動も大きく、今回の中間選挙では、オバマ大統領が所属する民主党が「大負け」、共和党が「大勝利」する歴史的な日になりそうです。

民主党が「大負け」するとどうなるのか。アメリカでは行政と立法が完全に分離されていて、ホワイトハウスがいくら頑張っても、法律を提案するのも決めるのも議会です。アメリカ議会は、日本の議会より強いパワーを持っているのです。民主党が「大負け」すると、オバマ大統領が議会寄りになるのです。

「大負け」の程度にもよりますが、仮に上院も下院も共和党が過半数をとった場合は、今年末に期限が切れる減税、いわゆるブッシュ減税が1年から2年延長される可能性が高まります。オバマ大統領は年収25万ドル以上の高額所得者への減税を延長しないことを求めていますが、全ての納税者の減税を訴える共和党に譲歩を余儀なくされることが確実です。所得税以外に企業などへの減税も拡大される可能性があります。この場合、株式相場が大幅に上昇する可能性があります。

また、オバマ大統領が進めていた積極的な財政出動も大幅に制限される可能性があります。いくら政府がお金を使っても失業率が改善しないため、共和党が批判しているのです。

共和党が下院だけ過半数をとり、上院では過半数をとれない場合。このシナリオは「マーケットがほぼ織り込んでいる」または最も可能性が高いとされていますが、この場合でも、法案をブロックできるため、ブッシュ減税は延長される可能性があるとみられています。

各社の世論調査には幅があり、接戦の地域も多いため、選挙結果は余談を許しません。あしたは睡眠不足に悩まされそうです。

[November 02, 2010] No 010282 
 



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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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