2分でわかるアメリカ

2017/06/30「本物の家族」とは

アメリカ連邦最高裁判所が、イスラム教徒が多数を占める6カ国の入国を制限した大統領令の執行を条件付きで容認しました。最高裁判断から72時間後のアメリカ東部時間29日20時に発効します。

これに先立ち、トランプ政権は、アメリカ大使館や領事館に新たな措置に関するガイドラインを配布しました。

非常に難解なものでした。入国が禁止される対象者は、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、そしてイエメンの6カ国のパスポート保持者。ただし、「bona fide relationship」は除外するとしています。「bona fide」とはラテン語で、「真の」「本物の」という意味です。

ニューヨーク・タイムズなどが入手した公電によりますと、義父と義母を含む親、配偶者、子ども、義理の息子と娘、兄弟姉妹は「本物の家族」だと定義。血縁関係のない養子縁組の子どもも含まれるとしています。しかし、祖父母や孫、叔父、叔母、甥、姪、いとこ、義理の兄弟姉妹、婚約者などは含まれません。

祖父母が除外される一方で、血縁関係のない家族が認められたことは驚きを持って受け止められました。トランプ政権は定義の背景を説明していません。最初の大統領令が施行された時のような大混乱はないとみられますが、中東やアフリカからの便が多い東海岸などの空港の入国審査に時間がかかるかもしれません。パスポートを最初に確認する航空会社の発券カウンターが混乱しそうです。

一方、国土安全省は28日、外国からアメリカに向かう民間機に対する防犯対策の強化を発表しました。爆発物を探知する犬を増やし、荷物検査などを入念にすることなどが柱。アメリカ政府は今年3月にイスラム圏の10空港からアメリカに向かう便のノートブック型パソコンの機内持ち込みを禁止しましたが、この措置は拡大されませんでした。いずれもアメリカ国内便には適用されません。

2001年の「9.11」以降、移民審査や空港などでの安全策、防犯が強化されました。それ以降に発生したアメリカ国内での銃乱射事件などはアメリカ人による犯罪が大半です。


 [June 29, 2017]  No 031843683

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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