2分でわかるアメリカ

2017/06/24「瞬間暴落」でわかった仮想通貨

6月20日付の当コラムでお伝えした仮想通貨イーサリアム。(http://bit.ly/2tXtYrE)
仮想通貨専門の取引所であるGDAXの21日の取引で、わずか1秒間で319米ドル(約3万5400円)から10セント(約11円)に暴落しました。いわゆるフラッシュクラッシュ。

日本語で瞬間暴落とも訳せるフラッシュクラッシュは、5年前にウォール街で大きな話題を集めたことがあります。2010年5月6日のニューヨーク株式マーケットで、ダウが数分で1000ポイント近く下落しました。高速取引、アルゴリズムを駆使した取引などが影響した結果だとされました。

フラッシュクラッシュにより、イーサリアムを取引していた個人投資家が大きな損出を出しました。その後価格が戻りましたが、損を消せない投資家が多くいました。ソーシャルメディアで被害報告が相次ぎました。取引所GDAXも批判されました。GDAXが価格操作したのではないかとの疑いもありました。

仮想通貨の人気は今年に入り加速しました。最大手のビットコインが過去最高値をつけました。イーサリアムのイーサは年初から4500%上昇、ビットコインに次ぐ第2の仮想通貨に成長しました。

21日のフラッシュクラッシュは、仮想通貨のプラットフォームの脆弱さを示す形になりました。人気が高まる中、必要な水準までシステムが追いついていないことがわかりました。

ニューヨーク株式マーケットでは、5年前のフラッシュクラッシュを教訓に、主要株価指数が短時間で5%を超えて変動した場合、一時停止する措置が取られることになりました。混乱を避けるルールも整備されました。伝統があり、圧倒的に規模が大きいニューヨーク株式マーケットと比べ、GDAXを含め仮想通貨の取引所はまだまだ脆弱です。マネーロンダリングなどに悪用されている、流動性が低くリスクが高いなどの批判が絶えません。今回のフラッシュクラッシュで、ニューヨークの金融当局が本格的に動く可能性があります。
 

[June 23, 2017]  No 031843679

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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