2分でわかるアメリカ

2017/06/07「ロシア疑惑4」証言阻止しない3つの理由

Netflixの人気ドラマ「House of Cards(日本題:ハウス・オブ・カード 野望の階段)」の第5シーズンが先週公開されました。あまりにも面白いので、週末に13話すべてを一気に観てしまいました。

ドラマの脚本は半年以上前に書かれたと想像しますが、いまのワシントンの状況と似ていて非常に興味深い。議会の公聴会に前大統領が証言。主人公である現職の大統領に極めて不利な証言をします。重要閣僚の一人も召喚されるのですが、大統領特権を使って阻止すると逆に不利になるため、別の手段で証言を大幅に遅らせます。

話を現実の世界に戻します。アメリカ連邦議会の上院に設置された情報委員会が、8日にFBIのコミー前長官を招聘します。フリン前補佐官に対する捜査を中止するよう大統領が求めたとされる会談メモの存在が伝えられています。不利な証言が予想されますが、トランプ大統領は迷った結果、証言を阻止することを止めました。

アメリカの大統領には、補佐官や顧問との会話を非公開にする特権があります。過去に大統領特権を使ったのはウォーターゲート疑惑で追い込まれたニクソン大統領(当時)。1974年のことです。しかし、世論やメディアの反発を強める結果となり、辞任に追い込まれました。歴史をトランプ大統領が学んだ可能性があります。

もう一つ。FBIのコミー長官との会談についてトランプ大統領自身がツイッターで明らかにしているため、「すでに特権を放棄している」と法律の専門家がアメリカのメディアに解説しています。

さらに、トランプ大統領が解任したため、コミー前長官が民間人になったことも状況を難しくしました。証言を阻止した場合、裁判で覆される可能性がありました。つまり、証言を阻止しなかったというより、阻止できなかったのです。

ドラマの第5シリーズ終盤は、想像を超える展開に発展します。結論はいいませんが、実に衝撃的な結末。現実はどうか。大きな展開の始まりになる可能性も。コミー証言に世界の注目が集まります。マーケットにも影響しそうです。


 [June 06, 2017]  No 031843666

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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