2分でわかるアメリカ

2017/05/25就職面接のように緊張したトランプ

アメリカには約7000万人のカトリック教徒がいます。トランプ大統領にとっても、ローマ法王にとっても無視できない存在です。

トランプ大統領の中東とヨーロッッパ歴訪の前半は、主要宗教の聖地もしくは故国に焦点があてられました。イスラム教の聖地メッカがあるサウジアラビア、ユダヤ教の聖地であるイスラエルのエルサレムに続き、トランプ大統領は24日、イタリア・ローマの一角に位置するバチカンを訪問しました。

訪問は午前8時半。異例に早い謁見でした。トランプ大統領の都合ではなく、週に一度の一般謁見を控えたフランシスコ・ローマ法王の予定に合わせたものでした。

シンボルとなったいつもの赤いネクタイではなく、紺と白のストライプのネクタイ、黒いスーツ。ローマ訪問に謁見したトランプ大統領は、いつになく緊張していました。まるで就職面接のようでした。メラニア夫人と娘のイヴァンカ夫妻も黒いスーツで同行しましたが、法王との会談は通訳を除けば二人だけ。簡素な法王執務室で行われました。

2人には確執がありました。去年の選挙戦でメキシコとの国境に壁を建設すると主張したトランプに対し、ローマ法王が「キリスト教徒ではない」と批判。トランプ氏が激怒しました。地球温暖化対策でも意見の隔たりがありました。

冒頭こそ両者の表情が硬かったものの、30分間の会談後には両者に笑顔がありました。少なくとも映像ではそう見えます。移民政策や医療保険改革、中東など幅広い分野で意見を交換したとするローマ法王庁の短い声明が発表されました。

バチカンを離れる際、トランプ大統領がローマ法王に対し、「ありがとう。ありがとう。あなたの言ったことは忘れない」と語ったそうです。

トランプ大統領の最後の言葉が何を意味するのか、特定の問題を指したものなのかは不明です。会談後、トランプ大統領は、「法王との会談は人生最大の栄誉。平和実現での決意をあらたにした」とツイッターに投稿しました。

寛容姿勢に転じるか。まだわかりません。歴訪後半のNATO首脳会議、G7首脳会議でのトランプ大統領の発言に注目が集まっています。


 [May 24, 2017]  No 031843659

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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