2分でわかるアメリカ

2017/05/17トランプ離れ進む共和党

アメリカの首都ワシントンD.C.にある連邦議会。「上院」と「下院」の2院制です。独立宣言をした当時はフィラデルフィアに首都があり、人数が多い院が2階建ての1階部分にあったためlower house、2階にあった院をupper houseと呼んでいた名残で、日本ではいまも「下院」「上院」と呼んでいます。しかし、アメリカでは現在、下院を「house」、上院を「senate」と呼びます。

下院の定員は435で、任期は2年。これに対し上院は、州あたり2名の合計100人が定員です。任期は6年で、2年ごとに3分の1ずつ改選されます。

下院と上院の関係は、日本の衆議院と参議院の関係と似ている部分もありますが、基本的に別だと考えたほうが良いと思います。上下両院の優越がなく、立法権は平等。役割が異なります。下院は大統領を弾劾できるほか、予算案を先に審議する権限があります。一方の上院は、条約の批准や閣僚の人事などを承認する権限を持っています。下院議長は多数派のリーダー、上院議長は副大統領が兼務します。

去年11月の大統領選と同時に実施された議会選挙で、上下両院とも共和党が過半数を確保しました。共和党のトランプ大統領が就任した直後は、大統領の政策を支援する法案が簡単に可決できると誰もが考えました。

しかし、そうはなっていません。共和党から離反者が相次いだからです。オバマケア(医療保険制度改革法)の改廃で共和党の一部が反対しました。一部のイスラム国の入国を一時禁止する大統領令も不評でした。

ニューヨーク・タイムズは、上院の共和党でトランプ大統領から距離を置く動きが目立っていると報じました。大統領の低支持率が続いているなか、悪いタイミングでFBI長官を解任したことがきっかけだとしています。少なくとも2人の共和党の上院議員が来年の中間選挙での苦戦が予想されています。

トランプ大統領が10日にロシアのラブロフ外相と会談した際、同盟国から得た最高度の機密情報を許可なく伝えたことが明らかになりました。トランプ大統領が事実を認めました。上院だけではなく、下院の共和党議員からも強く憂慮する声が相次ぎました。

共和党議員のトランプ離れが進めば、トランプ政権の経済政策の法案化に大きく影響する可能性があります。無視できない動きです。
 

 [May 16, 2017]  No 031843653

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.12.15 更新トランプ大統領、任期全うできるか12月9日からの1週間は、トランプ大統領にとって就任以来で最悪の週だった。ワシントンポストのコラムニストが伝えました。確かに、トランプ大統領に打撃となるニュース…
  • 2018.12.14 更新アメリカのガラパゴス日本に帰国する際は非接触型ICカードを使っています。JR東日本のSuicaや首都圏の地下鉄やバスで利用できるPASMO。コンビニや自販機でも使えて便利だと思いま…
  • 2018.12.13 更新FRBの利上げけん制、最後のプッシュアメリカのトランプ大統領が11日、ロイターのインタビューを受けました。ウォール街で話題に。金融情報に強い通信社による単独インタビューのため、慎重に準備したことが…
  • 2018.12.12 更新ホワイトハウスの重要ポスト先週末まで、「ホームランド」をアマゾンプライム・ビデオで毎日観ました。2011年から放送されているCIAエージェントのテロリストとの戦いを描いたテレビドラマで8…
  • 2018.12.11 更新中国がiPhone差し止め、微妙なタイミング中国の福建省福州の裁判所が、特許侵害をめぐるクアルコムとの訴訟に関し、アップルのiPhoneの輸入と販売を差し止める仮処分を下したことが明らかになりました。クア…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ