2分でわかるアメリカ

2017/05/11潮目変わる?「トランプ・ニュース」の復活

去年11月のアメリカの大統領選の翌日以降、「トランプ・ニュース」がアメリカのケーブルテレビのニュースチャンネルを独占しました。CNN、フォックスニュース、そしてMSNBCの3つのチャンネル。一般的な定時ニュースと異なり、国民の関心があるニュースのみを扱う傾向があります。

異色の大統領の発言や行動は格好の報道対象でした。ただ、就任90日目あたりから、「トランプ・ニュース」が徐々に減り、事件など社会問題の扱いが増える傾向にありました。

潮目が変わりました。トランプ大統領がFBIのコミー長官を解任したことがきっかけ。昨夜のニュースチャンネルが扱ったのは、このニュースと解説、分析のみ。今朝も同じでした。

コミー長官はきのう、ロサンゼルスにいました。ウィルシャー通り11000番地。FBIが入居する連邦政府ビルで、コミー長官がFBI職員に話をしていました。部屋の後ろにあったテレビの画面に、「トランプ大統領、FBI長官を解任」とのブレーキング・ニュース(ニュース速報)が流れました。コミー長官は自分が解任されたことを初めて知りました。

信じられないのですが、複数の証言があり、事実のようです。それほどタイミングが突然でした。これ以降、コミー長官が空港へ向かうクルマを空撮、一方で、ホワイトハウスの外観を常時映し、新たな情報を刻々と伝えました。専門家が次々とスタジオに登場しました。政治の専門家だけではなく、司法の専門家やウォーターゲート事件を知る歴史家まで。

ホワイトハウスの説明は非常に苦しい。スパイサー報道官は記者の質問にまともに答えていない。コンウェイ補佐官は、「なぜいま解任するのか」との質問に対し「その質問は適切ではない」と答えました。政府高官の対応とは思えない。あまりにもお粗末。

FBI長官の解任は、去年の選挙でのトランプ陣営とロシアとの特殊な関係に関する捜査を妨害するためだった。ニュースチャンネルがそう受け取れるよう伝え、国民がそう感じた可能性が高いです。トランプ大統領が「パンドラの箱」を開けてしまったかもしれません。
 

 [May 10, 2017]  No 031843649

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.12.08 更新2019年のFRB、世界経済、投資マーケットの2018年のテーマは、堅調なアメリカ経済、利上げを継続するFRB、トランプ政権の保護主義的な政策でした。トランプ大統領やFRBのパウエル議長の発言で…
  • 2018.12.07 更新NY株安、ミステリーで始まったニューヨーク株式市場は5日、ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の国葬のため休場でした。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)では、アメリカ東部時間の5日午後6時…
  • 2018.12.06 更新第41代アメリカ大統領ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ第41代アメリカ大統領の葬儀が5日、ワシントンで営まれました。国葬は2007年のジェラルド・フォード第38代大統領の葬…
  • 2018.12.05 更新逆イールド、景気後退の恐怖通常、償還期間が短い債券の利回りは、期間が長い債券の利回りより低い。例えば、2年債の利回りは10年債利回りより低い。ただし、逆転することがあります。金融業界で「…
  • 2018.12.04 更新米政府閉鎖めぐる駆け引きアメリカ連邦政府の2019年会計年度(18年10月〜19年9月)の正規予算はまだ成立していません。今週金曜日7日までに合意しなければ、政府機関の一部が閉鎖される…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ