2分でわかるアメリカ

2017/05/10謎の投資家「50セント」と動かない恐怖指数

ニューヨーク株式相場がほとんど動かなくなりました。去年11月から始まった「トランプラリー」が一服したのと同時に、相場下落を警戒する投資家が減っています。

VIXと呼ばれる指標があります。シカゴ・オプション取引所のVolatility Index(ボラティリティ指数)を略したものですが、投資家心理を反映するため「恐怖指数」とも呼ばれます。VIXは8日の取引で1993年12月以来の低水準をつけました。9日は、さらに低下しました。

VIX低下の背景には、アメリカの主要企業の業績が改善したことに加え、フランスの大統領選で親EUのマクロン氏が勝利し、政治リスクが後退したことがあるとされています。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、VIXの歴史的低下について、投資家が現在のマーケットに満足していることを示しているが、同時に指数が投資家の懸念を示す指標として適切かどうか疑問を生んでいると報じました。「安心ではなく、恐怖を感じる」「嵐の前の静けさ」との見方もあるとしています。

VIXが低水準で推移するなか、「50セント(フィフティセント)」と呼ばれる謎の投資家が話題になっています。コストが50セントになった際に積極的にVIXのオプションを買うことからそう呼ばれています。「Get Rich or Die Tryin’(お金持ちになるか、そうでなければ死んだほうがいい)」というアルバムを出したアメリカのラッパー「50セント」の影響もあり、ニックネームがつけられたとされています。

「50セント」の正体について、フィナンシャル・タイムズは、ロンドンに拠点を置く投資ファンドのラッファーだと報じました。英国国教会などを顧客に持つ200億米ドルを運用するファンド。ラッファーは、投資家向けの報告書で、「アメリカ市場が過剰に割高になっている」との認識を示していたそうです。


[May 09, 2017]  No 031843648

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.08.18 更新3尺度が示す「円は安すぎる」※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(13日更新)はこちら(マイページへログイン)マクドナルドで売られているビッグマックの価格を比較するBig…
  • 2018.08.17 更新トランプ氏、ドル高政策に転換?※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(13日更新)はこちら(マイページへログイン)米ドル相場をめぐるトランプ大統領の考えは変わったのか。16日…
  • 2018.08.16 更新米トルコ関係は修復不可能?※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(13日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカ史上で最も異色といえるトランプ大統領。強大な権力を持…
  • 2018.08.15 更新富で人は悪事を働く?※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(13日更新)はこちら(マイページへログイン)お金があると人は悪いことをする。ワシントンポストが興味深い記…
  • 2018.08.14 更新トランプ流夏休み※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(13日更新)はこちら(マイページへログイン)日本はお盆。欧米企業でも夏休み中、という人が多いようです。フ…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ