2分でわかるアメリカ

2017/05/02潤沢資金28兆円の使い道

時価総額で世界最大のアップルが2日、四半期決算を発表します。主力のiPhoneの売上など決算の内容も気になりますが、貯めこんだ現金の使い道にも注目が集まっています。

アップルの保有現金は去年12月末までに2460億米ドル(約27兆5000億円)に達しました。ウォール・ストリート・ジャーナルは、アップルの現金が2500億米ドル(約28兆円)を超えたと伝えました。

金額があまりにも大きいのでピンとこないかもしれません。28兆円という現金がどれくらいすごいか。日本最大のトヨタと10位のホンダ、そして17位の日産の自動車3社の時価総額の合計にほぼ匹敵する額。もしくはキヤノン、ソニー、三菱電機、パナソニック、日立の家電5社を買っても約10兆円あまる金額。もしくは、イギリスとカナダの外貨準備高の合計を超える規模です。

現金の約90%は海外の口座に預けています。他のアメリカの大企業と同様に、税率が高いアメリカに送金していません。トランプ政権が先週明らかにした税制改革案の骨子に、外国から送金したアメリカ企業に一度だけ課税することが盛り込まれました。ただ、詳細はなく、議会審議の行方もまだみえません。アップルは当面、現金を海外に保有し続ける可能性があります。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、アップルが特別配当を出す可能性も考えられると解説しました。もしそうなれば、アップル株の保有を2.5%まで増やしたバフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイに恩恵となりそうです。

潤沢な現金を保有することで倒産の可能性は遠のきます。ただ同時に、現金を遊ばせている、有効活用してないとの批判にもさらされます。28兆円をどう使うか。儲かりすぎても悩みがつきません。


[May 01, 2017]  No 031843642

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.02.20 更新16州がトランプ氏提訴、勝算は「トランプ大統領がメキシコ国境に壁を建設するため国家非常事態を宣言したことは憲法違反だ」。16の州が18日、トランプ大統領を相手にサンフランシスコ連邦地裁に提訴…
  • 2019.02.16 更新トランプ非常事態宣言、次に起こることアメリカのトランプ大統領が15日、ホワイトハウスで記者会見し、メキシコとの国境に壁を建設するため、非常事態を宣言しました。壁があれば、麻薬ディーラーやギャングの…
  • 2019.02.15 更新アメリカが買わないA380ANAがエアバスA380の就航に合わせてハワイ便を刷新する計画です。ハワイ路線で初めてファーストクラスを導入、5月24日に成田ホノルル便が就航します。8席しかな…
  • 2019.02.14 更新トランプ大統領、アカデミー賞みる?メキシコとの国境の警備を強化するための予算案で、与野党が11日までに原則合意しました。14日に上下両院が採決し、可決する方向。法案がホワイトハウスに送られること…
  • 2019.02.13 更新現金ポジション膨らむ、両極端な見方ファンドマネジャーを対象にしたバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの最新の調査で、キャッシュ・ポジションが、2009年1月以降、つまり過去10年で最大規模になっ…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ