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2017/04/29もうけすぎ? トランプ就任100日

「アメリカ第1主義」を掲げたトランプ大統領が就任してから29日で100日を迎えます。公約した政策を相次いで打ち出しました。ただ、議会の反発、外国の冷たい反応、そして司法の壁で、当初の強硬姿勢がやや現実路線に修正されました。

トランプ政権が打ち出した政策の中で、マーケットが最も注目したのは税制改革案です。公約通り、法人税を35%から15%に引き下げることが骨子に入りました。そして、個人事業主が主に利用するパススルーについても、現在の最高税率39.6%を15%へ減税するとしています。

日本の株式会社に相当するCコーポレーションの場合は、会社が法人税を支払います。しかし、SコーポレーションやLLCなどの場合は、原則として会社の収入が個人に移ります。個人は、他の収入と合わせて所得を申告します。これをパススルーと呼びます。

トランプ大統領の不動産会社は、Cコーポレーションではありません。公表されたトランプ氏の2005年の個人申告書では、過去の損出分が計上したことなどで、納めた税金は3800万米ドル(約42億1800万円)。税率はわずか3.5%。VOXによりますと、公表された税制改革案を適用すると300万米ドル(約3億3300万円)未満に下がります。VOXは、トランプ政権が提案した税制改革案は、トランプ大統領をよりお金持ちにする案だと伝えました。

一方、ロイターは、少なくとも7つの州の公的年金ファンドが、トランプ大統領が所有するホテルのファンドに投資していると報じました。さらに、ロサンゼルス市の年金ファンドが投資しているCIMが、ニューヨーク・マンハッタンにある「トランプ・ソーホー・ホテル&コンドミニアム」に5.75%の管理費を払っているとしています。

2つの報道から、税制と公的ファンドがビリオネアのトランプ大統領をさらにリッチにする可能性があることがわかります。ただ、税制については多くの問題点が指摘され、議会の反発もあることから、最終的にどうなるかはわかりません。トランプ政権の次の100日の最大の課題といえます。
 

[April 28, 2017]  No 031843641

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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