2分でわかるアメリカ

2010/10/27増え続けるナインティ・ナイナーズ


最近、99ers(ナインティ・ナイナーズ)という言葉をよく耳にします。もちろん、日本のお笑い芸人ではありません。地域によって異なるのですが、職を失った人には、週に450ドル(約3万6000円)ほどの失業保険が最長で99週、2年弱支給されます。その間、仕事が見つからず、失業保険をもらえなくなった人はナインティ・ナイナーズと呼ばれているのです。

金融危機後の景気後退は、公式には去年の夏に終了したことになっていますが、失業率は全米平均で9.5%以上が14カ月も続いています。9.5%ということは、1500万の個人が失業している計算になります。

しかし、CBSの報道番組「60ミニッツ」は、失業保険が切れた人や再就職をあきらめた人は労働省の統計に含まれていないため、ナインティ・ナイナーズを含めるとアメリカの失業率は17%になると指摘しています。2500万人が失業しているということです。

 「60ミニッツ」はまた、住宅バブル崩壊の影響が大きいカリフォルニア州の非公式の失業率は22%に達するとしています。5人に1人以上が失業しているということです。僕の娘の同級生にも、両親が失業した児童が何人もいます。 

カリフォルニアの北部シリコン・バレーにある大手ハイテク企業の多くは直近の決算で過去最高益をあげています。IT化が進み生産性が上がったこと、そして開発・製造を人件費が安い中国やインドに移したことも好決算の背景です。アメリカ人からみると、まさに「雇用なき成長」(JOBLESS RECOVERY)で、雇用は増えないけれど、会社が儲かるという現象が起きているのです。

1週間後の中間選挙の台風の目になっているティーパーティーを支えているのは、低所得および中所得の白人です。また元中間層のナインティ・ナイナーズの多くも支持者とみられます。ナインティ・ナイナーズ、そしてその予備軍の「不満と怒り」は、中間選挙の行方を左右するほど増え続けています。

[October 26, 2010] No 010277

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.05.25 更新輸入車25%関税の衝撃トランプ政権は23日、自動車の輸入が安全保障におよぼす影響について調査を開始すると発表しました。予想されていたことですが、それでも世界に衝撃を与えました。アメリ…
  • 2018.05.24 更新微妙な関係、米朝首脳会談と米中貿易協議トランプ大統領は22日、訪米した韓国の文在寅大統領とホワイトハウスで昼食をはさみ2時間にわたり会談しました。北朝鮮の体制維持などで意見を交換したもようです。会談…
  • 2018.05.23 更新「相当な確率でビットコインはゼロに」去年後半から年初にかけて世界を騒がせたビットコイン。一時は2万米ドルまで上昇するとの強気な見方がありましたが、最近では聞きません。低調な取引が続き、8000米ド…
  • 2018.05.22 更新「夜の灯」で景気判断、独裁国はGDP水増し?ワシントンポストに興味深い記事が掲載されました。中国、ロシア、その他の独裁国家がGDPを15〜30%「水増し」していることを衛星写真が強く示唆しているというもの…
  • 2018.05.19 更新米朝対話の鍵にぎる「謎の銀髪男」黄色信号が点滅した米朝首脳会談。トランプ大統領は17日、北朝鮮が対話に応じなければ最大限の圧力を維持すると警告しました。一方で、金正恩朝鮮労働党委員長が非核化に…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ