2分でわかるアメリカ

2017/04/27オバマ前大統領の値段

「オバマ前大統領が、ウォール街の金融機関が主催するイベントでの講演を40万米ドル(約4440万円)で引き受けた」。フォックス・ビジネスが25日に伝えました。ニューヨーク・タイムズなど欧米の主要メディアが後追い報道しました。

イベントを主催するのは中堅の投資銀行カンター・フィッツジェラルド。2001年に発生した同時多発テロで従業員の3分の2以上を失ったフィッツジェラルドは、まだ回復途上です。9月に開催するヘルスケアのコンファレンスの目玉として、オバマ前大統領に依頼したものです。

ビル・クリントン元大統領の講演料は20万米ドル(約2220万円)、ジョージ・W・ブッシュ元大統領は17万5000米ドル(約1942万円)とされています。ヒラリー・クリントン元国務長官は、2013年のゴールドマン・サックスの演説で、22万5000米ドル(約2497万円)を受け取りました。オバマ前大統領の40万米ドルが、いかに高額かがわかります。

2カ月前、出版大手のペンギン・ランダム・ハウスが、オバマ前大統領とミッシェル夫人が別々に出筆する回想録に650万米ドル(約7億2150万円)を支払うことで合意しました。大統領およびファーストレディ経験者の回想録としては、過去最高額です。

オバマ前大統領は、ウォール街の「強欲主義」を批判、金融規制を大幅に強化したドット・フランク法を後押ししました。ウォール街から高額の報酬を受け取ることが批判されるかもしれません。

トランプ大統領は、ウォール街を象徴するゴールドマン・サックスの幹部を相次いで政権中枢に入れ、ドット・フランク法を見直す大統領令に署名しました。また、オバマ前大統領の政策を徹底的に批判しています。これらの動き、批判が、オバマ前大統領の値段を吊り上げているのではないか。個人的にそう思います。


[April 26, 2017]  No 031843639

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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