2分でわかるアメリカ

2017/04/25まだわからない仏大統領選、基盤が違う

23日に実施されたフランスの大統領選挙は、中道独立系のエマニュエル・マクロン氏と極右のマリーヌ・ルペン氏の2人が、5月7日の決選投票に進むことになりました。

共和党のフィヨン元首相と左翼党のメランション氏の四つ巴の争いとなった第1回投票は、フランスが分断していることを示す形となりました。

マクロン氏は1977年12月21日生まれ。39歳です。アンリ4世高校、パリ第10大学、そしてフランス国立行政学院(ENA)を卒業した典型的なフランスのエリートです。フランス財務省を経て、ロスチャイルド家の中核銀行に勤務。2012年には、ヴァルス内閣の経済・産業・デジタル相に就任しました。

マクロン氏の親EU路線が注目を集めますが、富裕税の廃止に動き、公務員の大幅な削減、規制緩和を一貫して主張しています。この部分では、アメリカのトランプ大統領と主張が重なります。支持層は、高額所得者と無所属の若い世代です。

プライベートでは、「年の差婚」が話題です。マクロン氏はフランス最年少の大統領候補ですが、夫人のブリジットさんは25歳年上の64歳。元国語教師で、マクロン氏の恩師にあたります。前の夫と3人の子供がいたブリジットさんを「略奪した」とネット上で話題を集めました。夫婦二人三脚での選挙戦も注目されました。

反EUで知られるルペン氏は、パリ第2大学を卒業後に弁護士になりました。マクロン氏同様にいわゆる「勝ち組」です。フランスがイスラム化することに反対しています。「フランス第1主義」を掲げたことは、アメリカのトランプ大統領の影響だとみられます。支持基盤は中・低所得者、労働者層。マクロン氏の支持基盤と比べ非常に強固だとみられています。

開票から一夜明けた24日、決選投票ではマクロン氏が優勢だとの見方が広がりました。株式相場が大幅高、ユーロが急伸しました。ただ、フランスのメディアは決戦投票が激戦になると予想しています。マクロン氏の支持基盤がもろく、敗退したフィヨン氏とメランション氏の票がどちらに流れるか不確定な要素が多いからです。


[April 24, 2017]  No 031843637

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.04.18 更新アメリカが報じない日米交渉日米両政府が15日と16日の2日間に渡ったワシントンでの閣僚級の貿易協議を終えました。農産物と自動車を含む物品貿易の議論を先行、データ貿易も交渉に含めることで一…
  • 2019.04.17 更新勝てるかも、米大統領候補の新星2016年11月の大統領選でトランプ大統領が大方の予想に反して勝利したのは、アメリカ人が「変化」を求めていたからではないか。個人的にそう思います。当時、民主党の…
  • 2019.04.16 更新中央銀行の独立性が危ない「トルコの中央銀行は完全に独立する必要がある」ギリシャ、ポルトガル、アイスランド、そしてウクライナへの金融支援で中心的な役割を担った国際通貨基金(IMF)のヨー…
  • 2019.04.13 更新日本人も、米国査証が取れない「本場、日本の味をNYで」。ニューヨークに駐在したことがある人らなら誰でも知る寿司レストラン「寿司田(すしでん)」のホームページにこう書かれていました。マンハッ…
  • 2019.04.12 更新まだ不透明なブレグジット、大手銀の見方EUは10日、ベルギーの首都ブリュッセルで開いた臨時の首脳会議で、ブレグジット(イギリスのEU離脱)を10月31日まで再延期することを決めました。フランスのマク…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ