2分でわかるアメリカ

2017/04/06大統領が好きなあの番組が危ない

トランプ大統領は、ホワイトハウスでの長い夜をケーブルテレビのニュースチャンネルをみて過ごしていると伝えられています。最も好きなのはフォックスニュース。中立・中道のCNNとMSNBCに比べ、保守色が強いからだと思います。

フォックスニュースでもっとも人気があるキャスターはビル・オライリー氏です。プライムタイム放送の「ジ・オライリー・ファクター」は、安定して高い視聴率をあげています。その看板番組から、メルセデス・ベンツやBMWなどの自動車メーカーやイーライリリーやグラクソ・スミスクラインなどの医薬品メーカー合わせて12社が5日までに相次いでスポンサーから降りました

きっかけはニューヨーク・タイムズの先週末の報道です。オライリー氏からわいせつな言葉を浴びせられたなどと主張するプロデューサーら5人の女性が、提訴や口外しないことを条件にフォックスニュースの親会社などから1300万米ドル(約14億4300万円)の和解金を受け取ったと伝えました。

フォックスニュースについては、エイルズ前会長のセクハラ問題が長期にわたり報道されましたが、看板番組のスポンサーが広告を取りやめることはありませんでした。スポンサーを無理につなぎとめると、番組内容への介入が懸念されるため、フォックスニュースは今回の「広告停止ラッシュ」を見守るしかありません。

渦中のオライリー氏は、保守色が強い政治コメンテーターとして知られています。去年9月には、広島と長崎の原爆投下を正当化する「Killing the Rising Sun : How to America vanquished World War ? Japan」を出版しました。翻訳すると「アメリカはどうやって第2次世界大戦で日本を降伏させたか」という歴史書で、今年3月に発売した「Old School」とともにベストセラーになっています。

オライリー氏と番組が今後どうなるのかはまだわかりません。降板、打ち切りになる可能性が高いと個人的に思います。そうなれば、もっとも残念がる一人がトランプ大統領かもしれません。


 [April 05, 2017]  No 031843625

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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