2分でわかるアメリカ

2017/04/05ロシア疑惑、裏ルート構築の動きか

アメリカのケーブルテレビのニュースチャンネルは、あいかわらずトランプ報道一色です。国内外のニュースが数多くありますが、それらを無視するような報道ぶり。新聞各社も競うようにトランプ大統領周辺の報道に力を入れています。特に、第2のウォーターゲート事件につながる可能性があるロシア疑惑については、連日伝えられています。

報道合戦の中、ワシントン・ポストが、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領の間に裏ルートを構築する動きがあったとするスクープ記事を大々的に掲載しました。

ワシントン・ポストによりますと、トランプ大統領とつながりがある元ブラックウォーターのエリック・プリンス氏が、プーチン大統領に近いロシア人と密かに会っていました。アラブ首長国連邦(UAE)の仲介でした。会談場所は、なぜかインド洋のセーシェル島。大統領就任式の9日前のことでした。米ロ首脳が秘密裏に連絡をとるルート構築が目的で、FBIも調べているということです。

ブラックウォーターは、海外で事件に巻き込まれるアメリカ人が増えたことを背景にプリンス氏が創業した民間軍事会社です。2007年にイラクで民間人を殺害する事件を起こしたことで知られています。すでに売却されていますが、プリンス氏のルーツです。去年の選挙戦でプリンス氏は、トランプ陣営に25万米ドルの寄付をしているほか、デボス教育長官の兄でもあります。

セーシェルの会談では、プリンス氏がトランプ氏の非公式の使者だと名乗ったそうです。2回目の会談も検討されていましたが、政治的に危険すぎるとして実現しませんでした。

スパイサー大統領報道官もプリンス氏の代理人も報道を否定しています。ただ、ウォーターゲート事件のきっかけをつくったワシントン・ポストのスクープ記事なので、後追い報道がすごいです。ワシントン・ポストが電子版にアップロードした3日には、ロシア第2の都市の地下鉄で14人が死亡するテロ事件が発生しました。トランプ大統領は、「表ルート」でプーチン大統領に弔意を伝えました。


[April 04, 2017]  No 031843624

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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