2分でわかるアメリカ

2010/10/23バフェット氏「ゴールドマンからの電話に出ない」


ダウのきのうの終値が、リーマン・ブラザーズが破たんした日の終値に並びました。アメリカの景気減速が鮮明になる中、株式相場を支えているのは、FRBの追加金融緩和により余剰資金が流入するという期待、そして強い企業決算です。

ゴールドマン・サックスの7-9月期の決算も好調で、総収入も一株当たりの利益もアナリストの予想を上回りました。大手金融の決算がほぼ出揃いましたが、ゴールドマンの強さは際立っています。  

リーマンが破たんした後の金融危機の際、クレジット市場が機能しなくなり苦しんでいたゴールドマンを救ったのは、著名な投資家で大富豪のウォーレン・バフェット氏でした。バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイが優先株と引き換えに50億ドル(約4100億円)投資したことで安心感が広がり、ゴールドマンは窮地を脱しました。

「この優先株を買い戻すことをゴールドマンが検討している」とウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。バフェット氏が投資の条件とした10%の配当が重荷になっているからです。ゴールドマンは既に約10億ドル(約820億円)の配当をバークシャー・ハザウェイに支払いました。1日当たり130万ドル(約1億円)、1秒当たり15ドルの計算になります。

バークシャー・ハザウェイはまた、2013年10月までにゴールドマンの普通株式を当時(2008年10月)の株価である115ドルで買う権利も保有しています。ゴールドマンの株価は、ダウなどの指数と比べアウトパフォームしていて、きのうの終値は159ドルでした。バフェット氏が仮に権利を行使した場合、約20億ドル(約1640億円)のキャピタル・ゲインを得る計算です。

ゴールドマン救済は、バフェット氏にとって「おいしいディール」でした。いまバフェット氏が最も恐れているのは、ゴールドマンがお金を返し、高い配当が貰えなくなることです。バフェット氏は「ゴールドマンからの電話には出ない」と冗談を言っているそうですが、本音かもしれませんね。

[October 22, 2010] No 010275

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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