2分でわかるアメリカ

2017/03/30市場は静か、英の歴史的な日

ロンドンを訪れると、イギリス人ではない人が非常に多いことに気がつきます。ホテルの従業員やレストランの配膳担当から弁護士事務所まで。英国圏もしくは旧植民地出身者が多いほか、オランダ人、ドイツ人、フランス人なども目立ちます。英語のアクセントが明らかに違う。イギリス人の友人によりますと、ロンドンの約40%が海外出身者だそうです。その友人もケニア生まれのインド人、奥さんはオランダ人と海外出身者です。

イギリスのテリーザ・メイ首相が28日、EUのドナルド・トゥスク大統領に離脱を正式に通知する公式書簡に署名しました。書簡は29日、イギリスの駐EU大使からトゥスク大統領に手渡されました。これにより、EUの基本条約であるリスボン条約の第50条が発動され、2年間の期限が定められた離脱交渉が正式にスタートしました。引き返すことができない歴史的な日でした。イギリスだけではなく、EU加盟の27カ国にとっても。

欧州議会は、離脱交渉の優先課題をまとめた決議案を来週採決する予定です。貿易、安全保障をはじめ多岐に渡ります。非常に複雑。日本円に換算して7兆円を超える年金などの負担金の扱いが目先の課題。マーケットが注目する「金融パスポート」の問題は難航が予想されます。

この日の英ポンドの対米ドル相場は小動き、ロンドンの株式相場が上昇と比較的静かな反応。ただ、今後の相場を決めるのは離脱交渉の行方だということは誰もが理解しています。

個人的な意見ですが、交渉を最も気にしているのは、イギリス在住のEU市民ではないかと思います。築いた生活が政治決断で大きく変わる。加盟国で暮らすイギリス人も気が気でないと想像します。


[March 29, 2017]  No 031843620

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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