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2017/03/28苦境のトランプ、税制改革が危ない

連邦議会下院のライアン議長が、医療保険制度改革(オバマケア)の代替案の採決を断念、法案を取り下げたことを明らかにしたアメリカ東部時間の24日午後4時。ほぼ同じ頃、ホワイトハウスでは、トランプ大統領が補佐官らを集めて会議を開きました。アメリカの主要メディアが伝えました。

「誰に責任があるのか」。トランプ大統領は繰り返し問いただしたそうです。法案は「トランプケア」と呼ばれていましたが、ペンス副大統領は「ライアンケア」と呼びました。トランプ大統領は抜本的な改革を公約したものの、法案は「オバマケア」を修正したものに変わっていました。しかも評判が悪い。ライアン議長に責任があるとの意見、プリーバス首席補佐官の調整を疑問視する見方もありました。しかし、結局、「民主党が悪い」という結論に至りました。

しかし、野党である民主党の議席は過半数に届かず、法案が失敗したのは与党の共和党に問題があったことは明らかです。抜本的な改革を求めていた共和党の強硬派が、ライアン議長がまとめた法案を拒絶。これが致命傷になりました。

将来の大統領とまで言われたライアン議長は、共和党の期待の星でした。しかし、今回の騒動で、その調整能力に懐疑的な見方が増えました。「辞任すべき」との声も少なくありません。

トランプ政権の目玉になるはずだった医療保険の失敗を受け、ホワイハウスと議会は、もう一つの目玉である「税制改革モード」に切り替わりました。トランプ大統領は35%の法人税を15%に引き下げると繰り返し主張しています。ライアン議長も同意し、その方向で進む予定です。しかし、先行きは極めて不透明です。

法人税を大幅に引き下げるためには、税収の落ち込みを補う財源が必要です。医療保険で浮いた予算をあてる計画でした。それがなくなった。BATと呼ばれる「国境税」には共和党内に反対がある。なにより、共和党の強硬派は法人税率を15%にすることに反対しています。税制改革の調整に時間がかかり、内容が大幅に後退する可能性があります。

こうした中、議会上院の諜報活動特別委員会が、トランプ大統領の娘婿で、補佐官のジャレッド・クシュナー氏の証言を求める方向です。トランプ政権の「ロシア・コネクション」の調査の一環。異色の大統領が、あらゆる方面で苦境に立たされています。


[March 27, 2017]  No 031843618

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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