2分でわかるアメリカ

2017/03/23潮目変わった?疑いはじめた投資家

去年11月の大統領選の翌日からはじまった「トランプラリー」。今年に入っても株価は最高値を連日更新しました。トランプ大統領による積極的な政策を受けた経済成長への期待を織り込む動き。

しかし、21日のニューヨーク株式相場が急落、投資家の期待が疑問に変わったことを示唆しました。22日は相場が落ち着きを取り戻しましたが、疑問は残ったままです。

きっかけは21日のトランプ大統領と議会の動き。トランプ大統領の公約の柱の一つである医療保険制度改革(オバマケア)の改廃法案をめぐり、足並みの乱れが表面化しました。野党の民主党に加え、与党の共和党の一部が法案に反対する方針を示しました。慌てたトランプ大統領は、反対票を投じた議員を追及すると警告しました。事実上の脅しと受け止められました。

下院は、23日の本会議で改廃法案を採決します。ただ、改廃により多数のアメリカ人が医療保険を失うとの試算があり、共和党議員が全員賛成するかは極めて不透明。可決されるかどうか微妙です。

ウォール街では、トランプ大統領が公約した税制改革や大型のインフラ投資についても実現が怪しくなったとの見方が広がりつつあります。トランプ政権とロシアの特殊な関係が、「第2のウォーターゲート事件」に発展するとの不安もあります。ウォール・ストリート・ジャーナルは、「根拠のない非難や嘘の垂れ流しで、トランプ氏が偽大統領になる可能性がある」との社説を掲載しました。

シティバンクのプライベート・バンク部門のストラテジストは、株式相場が大きく下落する確率が高まったとCNBCにコメントしました。投資情報を提供しているガートマン氏は、近く5〜7%の株価の調整があるだろうと警鐘を鳴らしました。ビリオネア投資家のラスリー氏はCNBCに出演し、「トランプ氏の約束に賭けるべきではない」と述べました。

潮目が変わったのか。悲観論があまりにも多い。


 [March 22, 2017]  No 031843616

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.02.22 更新米住宅失速、弱い経済指標相次ぐ失業率が歴史的に低水準にあるものの、直近の最低値から30ベーシスポイント(0.3%)上がり、アメリカ経済が景気後退に向かう可能性が指摘されていると前日のコラムで…
  • 2019.02.21 更新「米リセッションの指標」に黄色信号世界的に景気減速の兆しがあるが、アメリカ経済は堅調。ウォール街、政府がそう認識しているほか、一般的にも「景気が悪くない」と考えられています。ただ、アメリカで生活…
  • 2019.02.20 更新16州がトランプ氏提訴、勝算は「トランプ大統領がメキシコ国境に壁を建設するため国家非常事態を宣言したことは憲法違反だ」。16の州が18日、トランプ大統領を相手にサンフランシスコ連邦地裁に提訴…
  • 2019.02.16 更新トランプ非常事態宣言、次に起こることアメリカのトランプ大統領が15日、ホワイトハウスで記者会見し、メキシコとの国境に壁を建設するため、非常事態を宣言しました。壁があれば、麻薬ディーラーやギャングの…
  • 2019.02.15 更新アメリカが買わないA380ANAがエアバスA380の就航に合わせてハワイ便を刷新する計画です。ハワイ路線で初めてファーストクラスを導入、5月24日に成田ホノルル便が就航します。8席しかな…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ