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2017/03/16トランプ氏の納税記録、自分でリーク?

昨夜は驚きました。ケーブルチャンネルのMSNBCが、ドナルド・トランプ大統領の確定申告書を公表したからです。

MSNBCのキャスターのレイチェル・マドウ氏が公表したのはトランプ大統領の2005年の記録。年収は1億5000万米ドル(約171億円)。3800万米ドル(約43億3200万円)の所得税を納めていました。実効税率は25.3%。大統領選を争ったヒラリー・クリントン氏の2015年の税率は34.2%でした。

トランプ大統領は去年の大統領選、そして勝利後も、慣例となっている確定申告書の公表を拒否してきました。リチャード・ニクソン大統領以来のことです。去年11月にニューヨーク・タイムズが1995年の巨額損失により最大18年にわたり毎年5000万米ドル(約57億円)の税額控除を受けた可能性があると報じましたが、2005年の記録を見る限り控除を受けていませんでした

MSNBCのマドウ氏によりますと、確定申告書のコピー2ページ分がニューヨーク・タイムズの元記者に匿名で郵送されました。リークによる報道では珍しくありませんが、いくつかの疑問が残りました。

ホワイハウスは、MSNBCが報道した直後、本物のコピーであることを認めました。「大統領になる前、トランプ氏は世界で最も成功したビジネスマンだった」と加えました。あまりにもスムーズで、「予定されていた行動」のように思えます。公表されたのはわずか2ページで申告書の一部にすぎず、所得の内容が含まれていません。12年も前の申告書というのも変です。さらに、コピーには「Client Copy(顧客コピー)」とスタンプが押されていて、IRS(日本の国税庁に相当)から漏洩したものではありません。

ワシントン・ポストをはじめ複数のメディアが、トランプ大統領自身がリークした可能性が疑われると報じました。都合がいい部分だけを公表したのではないかと。トランプ氏には、情報をリークした過去があります。

トランプ大統領の1年目の課題は、医療保険制度と税制の改革です。富裕層に有利に議論が進んでいるとすでに批判が出る中、ビジネスマンとしての自らの成功を誇示し、法律に基づき納税したことを知らせたかったのか。今回のリーク騒動は多くの思惑を呼んでいます。


 [March 15, 2017]  No 031843611

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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