2分でわかるアメリカ

2017/03/07角が取れるトランプ政策

トランプ大統領が6日、アメリカへの入国制限に関する新たな大統領令に署名しました。国務長官、国土安全保障長官、司法長官が共同記者会見で発表しました。

イスラム圏7カ国の入国を一時禁止した1月27日付の大統領令は、連邦裁判所が差し止めを命じ、停止されました。今もそのままです。トランプ大統領は、時間がかかる最高裁での争いを避け、新たな大統領令を作成しました。

新しい大統領令では、入国を一時禁止する対象国からイラクを外し、イスラム圏6カ国としました。イラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの国民は、3月16日からアメリカへの入国が90日間禁止されます。 また、難民の受け入れ作業を120日間停止、1年間の難民受け入れをオバマ政権時代の11万人から5万人に減らします。また、最初の大統領令と異なり、シリア難民を特別扱いせず、他の難民と同等に扱います。

イラクが対象から外されたのは、イラクに駐留するアメリカ軍の通訳として多数のイラク人が働いていること、過激派組織ISISとの戦いで重要な役割を果たしているため、国防相と国務省が除外を要請したためです。また、最初の大統領令で混乱したことを踏まえ、二重国籍者、永住権(グリーンカード)を持つ人、有効なビザ(査証)スタンプがパスポートに押してある人は通常通り入国できるとしています。

入国制限が、6カ国出身の特殊な技能を持つ人や医師ら個人にどう影響するかは不明です。発効まで1週間の準備期間があるため、混乱も限定されると予想されます。ただ、反対が根強く、再び司法の場での争いになる可能性が高そうです。ただ、今回は、時間をかけて修正を重ねた形跡があり、トランプ政権が最後まで争う覚悟だと思います。

移民や難民に関する新しい大統領令の内容は、最初のものと比べトーンダウンしました。反発や混乱を最大限回避することが狙いであることは明らか。他の政策についても、徐々に角がとれて現実路線に集約していくような気がします。
 
 [March 06, 2017]  No 031843605

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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