2分でわかるアメリカ

2017/03/03インスタント・ビリオネア

4年ほど前のことです。当時は中学生だった娘からフェイスブックをやめたと聞きました。代わりにスナップチャットを使っていると。友達と動画や写真を共有できるソーシャル・メディア。特徴は、受け取った画像や写真が数秒で消えること。ネット上に拡散し著作権で問題になることがない。親にも見られない。同じ頃、年配の知人からフェイスブックを始めたと聞きました。時代が変わったと思いました。

カリフォルニアのサンタモニカに本社を置くスナップチャットの親会社Snap Inc.。エヴァン・スピーゲル、ボビー・マーフィー、レジー・ブラウンの3人がスタンフォード大学を中退して2011年9月に創業しました。短期間に急成長、ユーザー数は1億5800万人に増えました。ミレニアム世代が1日あたり平均で18回アプリを開きます。イベント中継などメディアの領域にも参入しました。

Snap Inc.が2日、ニューヨーク証券取引所でIPO(株式公開)を果たしました。公募価格は17米ドルで2億株が売り出されましたが、12倍もの応募がありました。初値は24米ドル。公募価格を41%上回りました。IPOは大成功しました。

IPO後のSnap Inc.の時価総額は330億米ドル(約3兆7620億円)に達しました。共同創業者でCEOのエヴァン・スピーゲルさんと、技術責任者のCIOのボビー・マーフィーさんの個人資産は、いずれも43億米ドル(約4902億円)に増えました。一夜にしてビリオネアの仲間入り。すごい!

スピーゲルCEOはまだ26歳。私生活も華やか。ヴィクトリア・シークレットのモデルで、オーストラリア出身のミランダ・カーさんと婚約、ミランダさんはニューヨーク証取にも姿を見せました。

IPO申請のS1報告書によりますと、Snap Inc.のライバル企業は、フェイスブック、グーグル、ツィッター、アップルでした。そこには、伝統的なメディアの社名はありませんでした。いまの時代を象徴しています。

高校生になった娘は最近、スナップチャットをあまり使わず、インスタグラムを主に利用しています。勢いが止まらないSnap Inc.ですが、変化が激しい時代に生き残れるかは成長戦略次第だと感じます。


 [March 02, 2017]  No 031843603

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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