2分でわかるアメリカ

2017/02/24中国人の「豪邸爆買い」が止まった

ロサンゼルス市の東側の郊外にあるアーケディア。高台には豪邸が並びます。人口の60%がアジア系。そのほとんどが中国人です。高速道路を降りて市内に入ると、英語で書かれた看板より中国語で書かれた看板が多いので、中国人の住人が多いことがすぐにわかります。知人の中国人を訪ねたことがありますが、日本には存在しない豪華で巨大な邸宅でした。

過去10年、アーケディアに豪邸が次々と建てられました。特に、市内が一望できる高台に。中国本土から来た富裕層が競うように現金で買いました。アーケディアを含めたサン・ゲイブリエル・バレー地区が「中国人のビバリーヒルズ」になりました。

「豪邸が売れ残っている」とロサンゼルス・タイムズが報じました。かつては売り出し後すぐに売れたのに、新築の豪邸が何カ月も売れないでいるとしています。相場より低い980万米ドル(約11億740万円)の売値がついた新築の豪邸が、2カ月も買い手がつかないままだと具体例をあげています。

ロサンゼルス・タイムズは、中国の政策が影響していると解説しました。2014年に4兆米ドルあった外貨準備高が3兆米ドルに急減したため、富裕層による外貨の持ち出しが難しくなったとしています。

地元の不動産業者が、「中国本土からの現金による購入がなくなり、アメリカ人が住宅を買えるようになった」と話しています。「中国人のビバリーヒルズ」に中国人以外の富裕層が家を買うとは思えませんが。

ロサンゼルス郊外のアーケディアの異変が、中国人が好むニューヨーク、バンクーバー、ロンドン、シドニーなどの都市でも起こっているかはわかりません。もし「豪邸の爆買い」がなくなった場合、不動産だけではなく幅広く経済に影響する可能性がありそうです。


[February 23, 2017]  No 031843598

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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