2分でわかるアメリカ

2017/02/16疑惑広がるロシア・コネクション

「The Americans」(アメリカンズ)」をアマゾン・ビデオで毎晩1話ずつみています。2013年からケーブルチャンネルのFXで放送されたドラマです。最新の第5シーズンが3月に始まります。ドラマは1980年代初めのワシントンが舞台。KGBのスパイ夫婦と近所に住むFBI捜査官の日常を描いたもので、冷戦時代の米ソ間の緊張が描かれています。

冷戦が終わり、世界情勢が大きく変わりました。中国という超大国が出現しました。東欧や中東情勢も様変わり。ロシア(旧ソビエト)も変わりましたが、米ロが特殊な関係であることは変わりません。

その米ロ関係がアメリカを揺るがしています。安全保障を担当するマイケル・フリン補佐官の辞任が発端。辞任をきっかけに、トランプ大統領の側近やスタッフのロシアとの緊密な関係が次々と明らかになりました。

ニューヨーク・タイムズによりますと、トランプ氏のスタッフは選挙前からロシアの諜報機関と繰り返し連絡を取っていました。4人の現役および元政府職員の話として伝えました。捜査当局が集めた捜査資料の中に、トランプ陣営がロシアと共謀して選挙戦を有利にしていた証拠がある可能性があります。オバマ前政権は、ロシア政府がサイバー攻撃した証拠を掴み、去年12月に追加制裁に踏み切っています。アメリカの捜査当局では、外国の高官の電話録音がルーティンワークになっているということです。


トランプ大統領と側近は、フリン補佐官の問題を軽く見ていた可能性があります。スパイサー報道官の発言などからそう推測できます。メディアが大騒ぎしたため、慌ててフリン補佐官に対し事実上の辞任勧告をした節があります。

トランプ大統領の「ロシア・コネクション」をめぐる疑惑がさらに広がり、極めて深刻な事態に発展する可能性があります。ニクソン大統領が辞任に追い込まれた「ウォーターゲート事件」のようになるかもしれないとの見方もあります。議会では、与党である共和党の有力者からも「ロシアと適切な外交ができない」「安全保障が危ない」などとトランプ批判が出ています。

フリン補佐官が辞任してから2日経ちましたが、アメリカのメディアはこの問題を依然トップで伝えています。一方、ロシアのメディアは何も起こっていないような報道ぶり。カリフォルニア州のダムの決壊のニュースはトップで詳しく報じましたが、「フリン問題」をほとんど伝えていません。

「事実は小説より奇なり」ということわざがあります。ワシントンでいま起こっていることは、ドラマ「アメリカンズ」より先が読めません。


 [February 15, 2017]  No 031843593

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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