2分でわかるアメリカ

2017/02/04円相場は安すぎる?

ホテルの朝食は高いので、近くのそば屋で食べました。そば1杯と納豆、それに生卵がついて360円。東京の話です。いわゆる「立ち食いそば」なので「安いのは当たり前」と言われるかもしれません。それでも「安すぎるのではないか」と思いました。

今年の年初は出張が集中、ロンドン、オークランド、シドニーで朝食を食べました。ホテルの周辺で食べた朝食は、いずれも日本円に換算して1000円ちかくしました。ランチはもっと高い。

イギリスのエコノミスト誌が1月14日に発表した購買力平価を比較する「ビッグマック指数」の最新データでは、日本は3.26米ドルで34位でした。トップはスイスで6.35米ドル。アメリカは5.06米ドル、イギリスは3.73米ドルでした。

世界に進出したユニクロ。東京の「ヒートテック」の価格は990円。同じものがロサンゼルスでは14.99米ドル。円換算で1693円です。ロンドンでは14.99英ポンド(2113円)。南半球にあるシドニーは真夏なので、「ヒートテック」は売っていませんでした。

「ビッグマック指数」も「独自のヒートテック指数」も、日本の安さが際立っています。いずれも為替レート次第で大きく変わります。つまり、円相場が安すぎることを示唆しています。ちなみに、ビッグマック指数は1米ドル=113.4円で換算されています。

この手の比較は、企業の戦略などが影響するので「参考にならない」との指摘があります。でも、日本人が海外に渡航すると、物価の高さにショックを受けると思います。反対に、訪日外国人は「安さ」に驚くことは間違いありません。実際に、年初に日本で家族旅行をしたアメリカ人の友人は「日本は安い」との強い印象を得て帰国しました。

アメリカのトランプ大統領が就任後、「為替操作で輸出を有利にしている」として日本、中国、ドイツを名指しで批判しました。過激な発言が多く、移民政策など誰もが首を傾げたくなる大統領令が少なくありません。ただ、「円安」の指摘に関してはみょうに説得力がありました。



 [February 03, 2017]  No 031843585

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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