2分でわかるアメリカ

2017/02/01トランプ大統領、NZカップルの夢砕く

オークランドからオーストラリアのシドニーに移りました。空港からタクシーで市内に向かったのですが、約30分の移動中、運転手の話が止まりませんでした。

運転手はクルド系イラン人。1991年に政治亡命したと話しています。元大学教授とあって、イランの歴史から米ロの勢力争いまでを熱く語りました。そして、難民として受け入れてくれたオーストラリア政府に感謝していると涙ながらに語りました。

オーストラリアとニュージーランドの2カ国は、伝統的に移民に寛容な政策をとっています。アメリカと同様に移民国家。さらに、人権的見地から難民を積極的に受け入れてきました。受け入れるインフラがあり、社会があります。

最近のオーストラリアとニュージーランドでは、中国人の移民が目立って増えていますが、アメリカのトランプ大統領が入国を一時的に禁止したイランやイラクなどイスラム教徒が多い7カ国出身の移民もいます。

ニュージーランドヘラルドは、トランプ大統領がニュージーランド人の若いカップルの夢を砕いたと報じました。4月4日から6週間かけてアメリカ全土を旅行する計画でした。航空券とホテル代、そして250NZドルのアメリカの査証手数料、合計1万NZドル(約82万円)を支払い、旅行を楽しみにしていました。しかし、トランプ大統領が署名した大統領令で、計画が白紙に戻りました。

カップルの女性はニュージーランド人ですが、両親がイランで生まれたためイラン国籍も持っています。いわゆる2重国籍。カップルがオークランドのアメリカ領事館に問い合わせたところ入国はできないと言われました。ニュージーランドヘラルドはまた、イランとの二重国籍を持つニュージーランド人医師もアメリカのボストンでの学会への出席を断念したとも伝えました。

トランプ氏の大統領令は、アメリカ国内の空港をカオス状態にしただけではなく、遠く離れたオセアニアにも影響しています。
 
米国時間の明日1日は移動のためお休みします。2日に再開します。

 [January 31, 2017]  No 031843583

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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