2分でわかるアメリカ

2010/10/19龍馬の時代に並んだ価格


ヨーロッパに出張していた妻が戻ってきました。このところユーロが対ドルで高くなっているので、物価は高かったか聞いたところ「それほどでもなかった、洋服を除いては」という答えが返ってきました。フランスのデパートには、アメリカのデパートとほぼ同じブランドが売っていましたが、値段が50%ほど高かったそうです。

僕はアメリカに来たころ、洋服の安さに驚きました。消費大国のアメリカでは、どのお店も、ユニクロ並みの低価格で大量に洋服を売っているのです。しかし、その洋服が来年春から高くなりそうです。

週末のウォール・ストリート・ジャーナルのトップページに南北戦争(1863-64年)時代の絵が大きく掲載されました。コットンの価格が南北戦争直後以来の高値をつけたニュースを伝えるためです。コットンの価格は先週末、インターコンチネンタル取引所で1.198ドルをつけました。これは1870年代以来の最高値です。坂本龍馬が暗殺されたのが1867年でしたので実にその時代以来の高値です。

世界的な異常気象やドル安などを背景に、今年に入り砂糖、オレンジジュース、コーヒーといった商品が軒並み高騰しています。コットンは、大雨などで生産が落ち込んだ中国が先週、アメリカの農家から収穫前のコットンを大量に購入したことなどがきっかけとなり高騰、3ヶ月で56%上昇したことになります。  

アメリカの安い洋服を支えていたのは、低価格のコットンです。中国やインドパキスタンなどから安いコットンを買い付け中国などで生産していました。過去20年間のコットン価格は、ポンドあたり40セントから80セントで取引されていましが、今年に入り急騰したのです。

リーバイスは来年の春物からジーンズなどを値上げする方針を明らかにしています。ゲスやエアロポステールなどのメーカーは、価格転嫁するか赤字覚悟で値上げを見送るか決めかねています。景気があまりにも悪いため、値上げは命取りになりかねないからです。

アメリカはG20首脳会議を来月に控え、中国政府に人民元を切り上げるよう強く求めています。求めている切り上げ幅は20%から40%とされています。もしそうなったら、アメリカの洋服がフランス並みになってしまうのでしょうか。

[October 18, 2010] No 010271

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.10.20 更新黄色いクルマが消える日ロサンゼルスはカリフォルニアらしい晴天でした。気温は28度。日本人の感覚では「暑い」と思うかもしれませんが、乾燥していて心地よい。5時間のフライトでニューヨーク…
  • 2018.10.19 更新カショギ氏の「最後のコラム」ワシントンポストが18日、行方不明のサウジアラビア人のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏のコラムを掲載しました。「アラブ諸国に必要なのは表現の自由」と題するコ…
  • 2018.10.18 更新米財務省の為替報告書※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカ財務省が為替報告書を公表する予定。アメリカ東部時間の…
  • 2018.10.17 更新財政赤字、トランプ氏の主張と違った※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)大規模な減税分は高い経済成長で相殺される。トランプ政権が去年…
  • 2018.10.16 更新マーケットが気にするサウジ記者問題※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)サウジアラビア人のジャマル・カショギ記者が今月2日から行方不…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ