2分でわかるアメリカ

2017/01/26突然売れ出した2冊の本

イギリスの作家ジョージ・オーウェルの小説「1984」が、アメリカのアマゾンでベストセラーになっています。1949年に初版が出版された本ですが、何が起こっているのか。

「1984」は、架空の独裁者が率いる国で繰り広げられた世論の誘導や歴史の改ざん、さらには国家による監視活動を描いた小説です。

アメリカの主要メディアは、トランプ大統領の就任式の参加者が、オバマ前大統領の就任式より少なかったと報じました。これに対し、スパイサー大統領報道官は「過去最多だった」と主張。さらに、トランプ氏の側近が「もう一つの事実だ」と擁護したことが、「1984」の世論誘導と似ているとソーシャルメディアで話題になりました。これが影響して、「1984」は今週、アマゾンで売り上げトップになりました。

CNNによりますと、2013年にエドワード・スノーデンがアメリカ国家安全保障局(NSA)の個人情報を収集する手口を暴露した際にも「1984」が売れたそうです。こちらは、監視活動が注目されたからだと思います。

そして、アマゾンではいま、無名の作家が書いた回想録「Hillbilly Elegy(ヒルベリー・エレジー)」の売り上げも急激に増えています。2016年6月に初版発行の新しい本。アメリカ中西部の貧しい労働者階級の白人の話です。ニューヨーク・タイムズが、去年11月の大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利した理由を理解したい人にお勧めすると書いたことが突然売れ出した背景です。

日本でもトランプ関連本が売れていると聞きました。あまりにも異端であるため、「理解に苦しむ」と日米の誰もが思っているのかもしれません。



米国時間の明日26日は移動のためお休みします。27日に再開します。

[January 25, 2017]  No 031843580

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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