2分でわかるアメリカ

2017/01/18ポンド安が痛い

いまロンドンにいます。到着後、最初に会ったのは25年にわたって親しくしている夫婦。夫はイギリス人、夫人はオランダ人。去年6月の国民投票の翌日、二人とも涙が止まらなかったと話しています。時間が経ち覚悟ができましたが、いまの不安はポンド安。

国民投票後、イタリアへ夫婦で旅行しました。年末には、夫人がオランダへ帰省しました。ユーロ圏に行くたびに、すべてのモノが高くなったことを痛感しました。かつては、洋服をアメリカのアマゾンで購入、配達費を入れても安く買えました。でも、いまの英ポンド相場ではロンドンで買ったほうがましだと話しています。

ポンド高に慣れていたイギリス人にとっては痛い話ですが、外国からの訪問客にとってポンド安は大歓迎。

2年前にロンドンを訪れた際、アメリカより物価が大幅に高いと感じました。モノやサービスによっては倍近かった。去年の国民投票以降に米ドル高・ポンド安が進んだため、今回の訪問で「極端に高い」という印象は無くなりました。ただ、まだ高い。おそらく2、3割程度。ポンドの対米ドル相場がパリティ(1.0)になると、米英の物価が均衡するのだと思います。たぶん。

ポンド安を受け、ロンドンの住宅市場が堅調だそうです。30万ポンド以下で買える家がなくなったと地元の新聞に書いてありました。中国人や中東の富裕層が積極的に住宅を買っていると大手法律事務所の弁護士から聞きました。一方、金融街のシティなどで進んでいた大型の不動産プロジェクトの多くが去年の国民投票以降に中断、もしくは停止されたようです。法律事務所の業績に大きく影響したと弁護士が話しています。

ロンドン市内のATMは、引き出す通貨をポンドかユーロかを選択できます。友人夫妻は今後、為替水準をにらみながらユーロを引き出していく計画です。ブレグジット(イギリスのEU離脱)をめぐる交渉が今年3月以降進む中、さらにポンド安が進むと考えているからです。


[January 17, 2017]  No 031843575

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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