2分でわかるアメリカ

2017/01/13大損したソロス氏と儲けた弟子

「トランプラリー」にやや陰りがみえますが、ニューヨーク株式相場は依然として去年11月の大統領選の前と比べ大幅に高い水準にあります。投資家の多くが利益をあげたのではないかと想像します。ところが、著名な投資家であるジョージ・ソロス氏は大損したようです。

ウォール・ストリート・ジャーナルによりますと、ソロス氏は、11月の選挙前に「トランプ勝利の場合は株価が急落する」と警戒していました。そのシナリオ通りポジションを組みましたが、株価は予想に反して急上昇しました。いわゆる「トランプラリー」です。その結果、10億米ドル(約1140億円)近くの損を計上したそうです。

ソロス氏といえば、1992年に英ポンドの取引でイングランド銀行を負かし、10億米ドルの利益をあげました。その際にソロス氏の投資チームにいたスタンレー・ドラッケンミラー氏は、今回のトランプラリーで一定の利益をあげたと関係者が話しています。

ドラッケンミラー氏は、大統領選で民主党のクリントン候補が勝利した場合、一時的な株価上昇後に大きく崩れると予想していました。その一方で、トランプ勝利の場合は、一時的に売られた後に株価が上昇すると読んでいました。選挙後、ニューヨーク株式相場の先物が急落する局面がありました。ドラッケンミラー氏の読みが正しかったと言えます。

ソロス氏は去年はじめに投資活動を再開しました。300億米ドル(約3兆3900億円)の個人と家族の資金を運用しています。ただ、ソロス・ファンド・マネージメントLLCは現在、投資責任者を募集しています。トランプラリーを読み間違えた反省から、ソロス氏は再び投資から身を引くことを考えているのでしょうか。


[January 12, 2017]  No 031843573

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.10.20 更新黄色いクルマが消える日ロサンゼルスはカリフォルニアらしい晴天でした。気温は28度。日本人の感覚では「暑い」と思うかもしれませんが、乾燥していて心地よい。5時間のフライトでニューヨーク…
  • 2018.10.19 更新カショギ氏の「最後のコラム」ワシントンポストが18日、行方不明のサウジアラビア人のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏のコラムを掲載しました。「アラブ諸国に必要なのは表現の自由」と題するコ…
  • 2018.10.18 更新米財務省の為替報告書※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカ財務省が為替報告書を公表する予定。アメリカ東部時間の…
  • 2018.10.17 更新財政赤字、トランプ氏の主張と違った※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)大規模な減税分は高い経済成長で相殺される。トランプ政権が去年…
  • 2018.10.16 更新マーケットが気にするサウジ記者問題※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)サウジアラビア人のジャマル・カショギ記者が今月2日から行方不…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ