2分でわかるアメリカ

2017/01/06投資家が気にするトランプ政権の不透明感

米国のドナルド・トランプ次期大統領が今月20日に就任するのを控え、やや不透明感が強まっています。少なくとも投資家の一部がそう考えはじめました。

アメリカでは5日、アメリカの大統領選にロシアが関与した疑惑が再び主要メディアのトップニュースを飾りました。3つの諜報機関のトップが、上院で開かれた特別委員会で、ロシアのハッカーが民主党のサーバーなどを攻撃したことは間違いないと証言しました。この問題をめぐっては、ウィキリークスの創設者アサンジ氏が4日に「ロシアは関与していない」と発言、それを受けてトランプ次期大統領がロシアの攻撃をあらためて疑問視しました。

トランプ氏は、アメリカの諜報機関が政治化していると批判、縮小を含めて見直す考えを示しました。「情報戦争」といわれるいま、アメリカの諜報機関の行方が不透明になっています。

投資家はトランプ氏が北米自由貿易協定(NAFTA)を見直すと公約していることも懸念しています。トランプ氏は、メキシコとの国境に壁を築き、新たな関税を課すと繰り返し主張しています。フォードは3日にメキシコの新工場計画を撤回。トランプ氏の批判の矛先はメキシコで組み立てた小型車をアメリカに輸出しているGMに移りました。大企業が動揺していることは明らか。NAFTAを利用して経営効率をあげている企業は、自動車のほか、家電、半導体、医薬品、バイオ産業など多岐に及びます。

去年11月8日のアメリカの大統領選でトランプ氏が勝利して以降、大型の公共投資、減税、規制緩和などへの期待から株高、米ドル高、金利上昇が急ピッチで進みました。反対に5日は、株安、米ドル安、金利低下で取引が始まりました。一服感か、それとも期待が不安に変わったのかはまだわかりません。ただ、トランプ次期政権をめぐる不透明感を気にしはじめた投資家が増えているのは間違いありません。


[January 05, 2017]  No 031843568

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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