2分でわかるアメリカ

2016/12/23「米ドルが対円で30%過大評価」との見方

クリスマスを控え、すでに休暇に入ったアメリカ人が多いです。親しい弁護士に電話したら、メキシコのリゾート地にいました。別の友人はワインの産地ナパで休暇中でした。ロサンゼルスの空の玄関LAXへ向かう道路は今週初めから大渋滞です。

休暇入りした投資家やトレーダーも少なくありません。これを反映してマーケットでは売買が細っています。薄商いの場合、相場がこう着、あるいは大きく振れる、の2つの両極端のパターンが過去に何度もありました。今年はいまのところ前者。外国為替マーケットの動きもやや鈍くなっています。

こうした中、米ドルのショート(売り)を考える機会だと主張するマーケット関係者がいます。UBSのアジアでの資産運用の責任者です。

米ドルは、アメリカの大統領選でドナルド・トランプ氏が「サプライズ勝利」した後に急上昇しました。FRBが予想以上に早いペースで追加利上げを行う可能性を示したことも米ドル買いにつながりました。主要通貨に対する米ドルの動きを示す米ドル指数は2002年12月以来の高水準をつけました。

UBSのエイドリアン・ズーチャー氏は、「我々は米ドルが著しく過大評価されていると考えている」とした上で、「急ピッチの米ドル高は正当化できない」とCNBCに述べました。

ズーチャー氏は、米ドルの上昇基調が4年続いたことで、G10通貨に対する水準が高くなりすぎたとの見方を示しました。米ドルが対ユーロで15〜20%、対円では30%過大評価されている可能性があると語りました。

米ドル高の背景の一つは、アメリカのインフレ率が上昇するという観測ですが、ズーチャー氏は日本やヨーロッパも同時にインフレ率が上がるため米ドル高が説明できなくなる。さらに、大型の公共投資により財政赤字が拡大するとみられるが、歴史的に赤字拡大は通貨にネガティブに影響すると説明しました。


[December 22, 2016]  No 031843561

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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