2分でわかるアメリカ

2016/11/26「お金持ちの掟132」政治は富豪の視点で

2017年1月20日にアメリカの第45代大統領に就任するドナルド・トランプ氏は、不動産事業で巨額の資産を築いたことで知られています。アメリカだけではなく、世界に「トランプ」の名前を冠したビルがあります。モノポリー・ゲームにもなりました。Forbesによりますと、トランプ氏の個人資産は37億ドル(約4181億円)に達します。いわゆるビリオネアです。

トランプ氏はいま、政権の閣僚ポストの人選を急いでいます。感謝祭の休暇も返上。指名した最初5人が非常に保守的な白人男性5人だったので「時代が逆戻りする」との懸念が広がりました。しかし、ここにきてビリオネアの名前が次々とあがり、「富豪政権」になりそうな勢いです。

教育長官には、学校改革に熱心な女性慈善家のベッツィ・デボス氏が指名されました。共和党への大口献金で知られています。デボス氏の実父はミシガン州にある自動車部品会社「プリンス」の創業者、義父は直販大手「アムウェイ」の共同創業者です。デボス氏自身は、上場企業数社の社外取締役についた経験があるビジネス・ウーマンでもあります。個人資産は51億ドル(約5763億円)とトランプ氏より多い。

商務長官には、投資家のウィルバー・ロス氏が起用される見通しです。ロス氏は、破たんした鉄鋼会社などを買収、再生して売却するプライベート・エクィティ会社「WLロス&カンパニー」を経営。78歳と高齢ですが、現役バリバリの投資家です。ロス氏の個人資産は29億ドル(約3277億円)。

さらに、商務省のナンバー2には、10億ドル(約1130億円)の資産を持つトッド・リケッツ氏が指名される方向です。リケッツ氏は、大リーグのシカゴ・カブスのオーナー。父親は金融大手のTDアメリトレードの創業者です。

オバマ政権の現役の商務長官ペリー・プリツカー氏もビリオネアです。金融と不動産で富を築きました。ただ、次期政権ほどビリオネアが多い政権は異例。共和党は「お金持ち優遇」の政策で知られていますが、次期政権は富豪の視点で政策が決まるかもしれません。


 [November 25, 2016]  No 031843542

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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