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2016/11/09不動産王が「眠れる巨人」を目覚めさせた?

ニューヨーク、ロサンゼルス、ダラスなど、アメリカの大都市では、ヒスパニックが目立って多いです。街歩く人、銀行の窓口、スーパーマーケットの買い物客と店員。和食レストランでメキシコ人が寿司を握っていることもあります。公共機関の掲示板やサインは、スペイン語を併記することが当たり前になっています。

ヒスパニックとは、一般的にスペイン人もしくはスペイン文化に関連する人を指します。アメリカでは、メキシコやプエルトルコをはじめ中央アメリカや南アメリカ出身の移民を総称してヒスパニックもしくはラティーノと呼びます。

アメリカのヒスパニック系移民は最大のマイノリティです。国勢調査によりますと、全人口の約17%を占めています。最もヒスパニックの人口が多いのはカリフォルニア州で、1400万人以上います。ニューメキシコ州では、人口の約半分がヒスパニックです。

11月8日は米大統領選挙の投票日。全米各地の投票所では、長い行列ができました。スキャンダルまみれの有力候補2人の争いという「歴史的な」選挙とあって、期日前投票をした人の数は記録的に増えました。特に増加が目立ったのはヒスパニック。フロリダ州やアリゾナ州、ネバダ州では、「初めて投票した」とするヒスパニックの有権者が一票を投じました。

「トランプ氏が眠れる巨人を目覚めさせた」と題する記事を政治報道で知られるフィスカル・タイムズが掲載しました。「メキシコとの国境に壁を築く」「メキシコは犯罪者を送り込んでいる」。不動産王で、共和党の大統領候補のドナルド・トランプ氏は、移民、特にメキシコ批判で、保守層の高い支持を獲得しました。同時に、ヒスパニック系有権者を敵にしました。トランプ氏に対する怒りが、ヒスパニックを投票所に向かわせ、記録的な投票率の増加につながりました。ヒスパニックの投票率が2倍以上になった地域も少なくありません。

ピュー・リサーチによりますと、オバマ大統領は、前回2012年の大統領選挙で、ヒスパニックの71%の支持を得て再選を果たしました。今年の選挙では、ヒスパニック系の投票率の増加が、民主党候補のヒラリー・クリントンにポジティブに影響するとみられます。


 [November 08, 2016]  No 031843529

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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