2分でわかるアメリカ

2016/10/21本場アメリカで「民泊禁止」の動き

配車アプリのUber(ウーバー)と並んで「シェアリング・エコノミー」の代名詞になったAirbnb(エアビーアンドビー)。2008年にカリフォルニアでスタートした民泊仲介サービス会社は時価総額が日本円に換算して3兆円を超す有力ベンチャーに急成長しました。日本法人も2014年に設立されました。

「飛ぶ鳥を落とす勢い」のエアビーアンドビーですが、創設以来最大の危機に直面しています。ニューヨークで民泊提供が禁止される可能性が出てきました。ニューヨーク市では、4万6000もの一戸建てやアパート(日本のマンションに相当)が民泊サービスにだされています。アメリカ最大のマーケットです。

ニューヨーク州は2010年、集合住宅の部屋の所有者や賃貸人が30日未満の短期滞在のために貸し出すことを禁止しました。しかし、法律が遵守されず、当局はその後の急成長を見込んでいませんでした。

野放しの成長を許したことで、家賃が高騰、住宅が不足する事態に発展しました。ホテル業界の団体は雇用が脅かされていると主張、ロビー活動を積極化しました。住民とのトラブルも相次ぎました。その結果、ニューヨーク州議会は短期滞在者を募集した人に最大で7500ドル(約78万円)の罰金を科す法案を新たに可決、今週18日にクオモ知事に法案が送られました。クオモ知事は、期限の来週末までに署名するかどうかの決断を迫られています。

エアビーアンドビーは、州法を遵守すると主張すると同時に、年間9000万ドル(約93億6000万円)の州税を収める方針を示すなど法律の成立阻止に必死です。クオモ知事が署名した場合、提訴する構えを見せています。

サンフランシスコやサンタモニカの市当局は民泊の違法提供者に罰金を科しましたが、エアビーアンドビーはそれぞれの市を提訴しています。アメリカの他の都市でも禁止や罰金の動きが出ています。ニューヨークの決定は、世界的な民泊拡大の動きを巻き戻す可能性があります。
 
 [October 20, 2016]  No 031843517

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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