2分でわかるアメリカ

2016/10/19なぜトランプ・タワーがLAにないのか

マンハッタンの5番街にあるトランプ・タワー。そこから徒歩で1分のプラザホテル。ニュージャージーのアトランティック・シティのカジノ。そして、シカゴ、フロリダ、ラスベガス、さらにはハワイのワイキキ。アメリカの主要都市や観光地には「トランプ」ブランドのビルが必ずといっていいほどあります。しかも非常に目立つ。

ただ、アメリカ第2の都市、ロサンゼルスにはトランプ・タワーがありません。嫌いなのか。逆です。ドナルド・トランプ氏は映画スタジオの買収を検討するなどハリウッドが大好き。1987年に出版した自伝でも「ロサンゼルスが好きだ」と語っています。それなのに、なぜ参入しないのか。

ロサンゼルス・タイムズによりますと、1990年1月にトランプ氏はロサンゼルスのダウンタウン近くに125階建ての高層ビルを建設する計画を発表しました。総工費の予算は10億ドル(現在のレートで約1040億円)。しかし、ロサンゼルス市長が「高層ビルは近所の住民に好ましくない」と反対しました。当時の市長はトム・ブラッドリー氏。空港のターミナル名にもなった人気のある市長。結局、トランプ氏は計画を断念、建設予定地は学校になりました。

9月時点で支持率がきっ抗、トランプ氏が本選で勝利する可能性が高いとみられていました。今月に入り、わいせつ行為疑惑が相次いだことなどで、支持率が急降下。民主党候補のヒラリー・クリントン氏との差は広がるばかりです。

トランプ氏に対する不信感の影響は共和党全体に及んでいます。フィナンシャル・タイムズは、「トランプ氏の勝利を妨げる最大の障壁は本人の性格だ。とにかく我慢できない」とするコラムを掲載しました。短気であり、相手を強い言葉で侮辱する。トランプ氏は、ロサンゼルスの計画に市が反対したことについて「ナチのような行為だ」と怒りをぶつけました。

トランプ氏は今週に入り、「クリントンを勝たせたいメディアが不正をしている」として、選挙結果を受け入れない可能性があると主張しました。メディアは反発するというより、呆れています。19日夜、最後のテレビ討論会がラスベガスで予定されています。フィナンシャル・タイムズは、「カジノで大損した人物がラスベガスで最後の賭けにのぞむ」と伝えました。短気な性格が全開になる予感がします。


 [October 18, 2016]  No 031843515

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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