2分でわかるアメリカ

2016/10/13アマゾンが牛乳を搾る日

「アマゾン・レストラン」を先日、初めて使いました。クルマで20分ほどの距離にあるレストランから30分ほどで届きました。早い!料金はレストランで食べるのと同じ。配達料は無料ですが、チップが5ドル加算されていました。最終的な料金は、配車サービスのウーバーの「ウーバー・イーツ」や他の配達アプリとほぼ同じでした。いつ届くのかわからない「蕎麦屋の出前」と違い、状況を刻々と知らせるテキストが届くので「便利だ」と感じました。

「アマゾンがコンビニエンスストアに進出する」とダウ・ジョーンズが11日に伝えました。「レストラン」より前にサービスを開始した生鮮食料品の配達サービスの延長だと解説しています。

 牛乳や肉などの食材をスマホなどで注文、帰宅途中に実店舗でピックアップすることも、指定した時間に自宅に配達してもらうことも可能だとしています。ウォルマートなどの大規模店やスーパーマーケット、そして、セブンイレブンなどのコンビニと競合することになります。

アマゾンがコンビニ進出を決めたロジックはこうです。

消費者がつかうお金の中で食料品は上位から5番目。ただ、オンラインでの売上は2%にとどまり、成長する余地があります。また、フード・マーケティングによりますと、アメリカ人は週に1.5回食料品の買い出しに行き、平均で107ドル(約1万1128円)をつかいます。年間で約5500ドル(約57万2000円)をつかう計算。この数字は、アマゾン・プライム会員の年間平均購入額2500ドルの倍以上です。アマゾンが激戦区にあえて参入するのは、こうした背景があるのだとみられます。

ダウ・ジョーンズによりますと、アマゾンは現在、シアトルやロサンゼルスなどのアメリカ7都市とイギリスのロンドンで生鮮食料品の配達サービスを提供しています。近日中に、アマゾンの本社があるシアトルでコンビニ1号店を開店、その後段階的に7都市にもエリアを広げていく方向です。

「牛乳価格が2014年以降に36%下落した」とウォール・ストリート・ジャーナルが伝えました。畜産業者がオリンピック・サイズのプール66個に相当する量の牛乳を廃棄しているとしています。コンビニの次は、牛乳を自ら生産する可能性があると指摘されています。業界革命、価格破壊がさらに進む予感がします。
 
[October 12, 2016]  No 031843511

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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