2分でわかるアメリカ

2016/10/12「家電トップブランド」が大変なことに

スマホの世界トップメーカーであるサムスンが大変なことになっています。

8月に発売した「ギャラクシーノート7」のバッテリーから火が出たという報告が相次ぎ、サムスンは250万台をリコールしました。先月から新しい製品との交換を進めていましたが、交換後の製品からも発火する事故が世界中で多数報告されました。アメリカの旅客機の乗客が持っていた「ノート7」から煙が出る騒ぎも起きました。

ベライゾン、AT&T、Tモービル、そしてスプリントのアメリカ通信大手各社は10日、「ギャラクシーノート7」の販売と交換を一斉に停止。そして、サムスンは11日、安全上の問題で「ノート7」の生産と販売を打ち切りました。

「サムスン本社が大変なことになっている」「問題はバッテリーではなく、システムだ」など、欧米の主要メディアが連日、大きく伝えました。

国産メーカーが主力の日本と異なり、アメリカをはじめ欧米では、サムスンは家電のトップブランドです。携帯端末、テレビから白物家電まで、あらゆるサムスン製品が欧米の家庭に入っています。反面、ソニー、パナソニック、シャープなどの日本ブランドが欧米の家庭から消えつつあります。

スマホの最上位機種の不具合が最悪の展開になったことで、サムスンはブランドイメージを守ることを優先したのだと思います。株式市場ではサムスン株が8%下落、日本円に換算して約2兆円の時価総額が吹っ飛びました。

家電メーカーにとって最重要な年末商戦が控えています。サムスンが約1兆7000億円の販売機会を失ったとアナリストが試算しています。一方、「ノート7」の不具合騒ぎで、発売されたばかりのアップルのiPhone7やグーグルのPixelの販売が伸びると指摘されています。

計画通りであれば、サムスンは来年春、新型の「ギャラクシーS8」を発表します。良い意味でも悪い意味でも高い注目を集めると予想します。

 [October 11, 2016]  No 031843510

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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