2分でわかるアメリカ

2016/10/11まだ残る「トランプ大統領」の可能性

大統領選の有力2候補による2回目のテレビ討論会。昨夜の討論を受け、マーケットは「クリントン勝利」を確信したようです。外国為替マーケットではメキシコペソが急上昇、ニューヨーク株式市場で買いが先行しました。

アメリカの主要メディアは、討論会で民主党候補のクリントン氏が優勢だったと伝えました。ワシントン・ポスト、ロサンゼルス・タイムズは「勝者はクリントン」と報じ、ニューヨーク・タイムズは、トランプ氏が「女性蔑視問題」を克服できなかったと解説しました。

ただ、「トランプ氏が悪くなかった」との報道も目立ちました。CNNが討論会を視聴した人を対象にした世論調査では、クリントン氏が優勢だったと答えた人が57%に対し、トンランプ氏は34%でした。しかし、トランプ氏が予想より良かった」と答えた人が63%もいました

トランプ氏は討論会で、クリントン氏がメール問題で検察当局に召喚された後、3万以上のメールを削除した問題を取り上げ、刑務所に入る行為だと批判しました。著名なジャーナリストのビル・オライリー氏は、トランプ氏が、女性蔑視の下品な発言よりクリントン氏の行動の方が、より罪が重いとの印象を与えたとコメントしました。オライリー氏はまた、アメリカのメディアがクリントン氏を支持していて、報道にバイアスがあるとの見方を示しました。

ロンドンに本社があるためアメリカの大統領選にバイアスがないフィナンシャル・タイムズは、「足場を再び固めた」としてトランプ氏の復活を伝えました。各社の調査を分析した「世論調査の調査」では、クリントン支持が44.7%で、40.2%のトランプ氏をリードしているとしています。

ただ、アメリカの大統領選は、総得票数を競う人気投票ではなく、州別に獲得した選挙人の数で決まります。選挙人数270が勝利の条件ですが、クリントン氏はまだ260しか固めていません。支持が揺れる「スイング州」と呼ばれるフロリダ、オハイオ、ジョージア、ノースカロライナ、アリゾナなどが勝負を決めることになります。

週末にスキャンダラスなビデオテープが出た後、トランプ氏は「絶対に撤退しない」と述べました。不利な立場ですが、まだ逆転する可能性があると信じているからだと思います。最後となる3回目のテレビ討論会は19日にラスベガスのネバダ大学で開かれます。ネバダ州も「スイング州」。本選の行方を決める重要な討論会になりそうです。
 
[October 10, 2016]  No 031843509

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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