2分でわかるアメリカ

2016/10/0546%が所得税を払わない経済大国

アメリカ共和党の大統領候補のドナルド・トランプ氏が1995年の確定申告で9億1600万ドル(約934億円)の損失を計上、18年にわたり税逃れをしていた可能性が高いとThe New York Timesが週末に報じました。トランプ氏が大打撃を受けましたが、同時にアメリカの税制の問題が脚光を浴びました。

The Washington Postによりますと、アメリカ人の約46%が連邦所得税を納めていません。

理由は大きく分かれます。税引き前所得が2万ドル(約204万円)以下の人は所得税が免除されます。「貧民大国」と呼ばれるほど低所得者層が多いので、46%のうち大きなシェアを占めます。

一方、所得が多いのに所得税を納めていない人もいます。トランプ氏はこの極端な例です。トランプ氏は、航空、カジノ、ホテルの事業で失敗、巨額損失の控除をとりました。課税されない自治体発行の債券に大金を投じて税を逃れているお金持ちも少なくありません。税制の隙間を利用して税金を払わないお金持ちの数は全体から見ると少数ですが、最大の利益者といえます。

お金持ちと貧乏が税金を払わず、中間層がほとんどを負担するという歪んだ現実があります。お金持ちは合法的に税を逃れていますが、税制の複雑さがお金持ちの節税を疑わしくしていると伝えました。

アメリカの2016年度の財政赤字は7年ぶりに増加し、5440億ドルに達する見通しです。議会予算局は、減税措置が恒久的な主因だとしています。新しい大統領が就任する来年以降、税制が本格的に見直される可能性があります。民主党のクリントン候補が勝利した場合は中間層の負担を軽くする方向になるとみられます。一方、トランプ氏が大統領になる場合は、お金持ち優遇が強化されるかもしれません。The New York Timesの「トランプ税逃れ報道」以降、クリントン氏がリードを広げています。


[October 04, 2016]  No 031843505

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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