2分でわかるアメリカ

2016/09/21年収300万円の社員は解雇、幹部は100億円で離職

「年収がおそらく3万ドル(約306万円)の社員5300人が職を失った。一方で、トルステッド氏は1億ドル(約102億円)をもらって離職した。これをどう説明するのか」。

アメリカの連邦議会上院が20日に開いた銀行委員会の公聴会で、オハイオ州のブラウン上院議員からこんな質問が出されました。

質問の相手は、ウェルズ・ファーゴ銀行のジョン・スタンプ会長兼CEO。質問に名前が出たトルステッド氏は、ウェルズ・ファーゴに27年勤務したベテランで、リテール顧客部門の元責任者です。退職金を含めて1億ドルを超える報酬を受け取り、今年7月に離職しています。

時価総額で世界最大、著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイが主要株主のウェルズ・ファーゴが、顧客に無断で200万もの預金口座やクレジットカード口座を開設した問題の責任追求が続いています。

消費者金融保護局(CFPB)が今月8日、過去最大の1億9000万ドル(約193億円)の罰金を支払うよう命じました。その後、販売慣行をめぐり検察当局が本格的に調査を開始。議会も徹底的な追求に動きました。20日の上院公聴会では、対立関係にある共和党と民主党が協調、前代未聞の銀行の不正を問いただしました。

スタンプ会長兼CEOは当初、辞任しない意向を示していましたが、公聴会では「すべての責任を取る」と述べました。2013年時点で不正販売の事実を聞いたことがあると話していて、辞任に追い込まれる可能性が高いとみられています。不正販売を主導したとされるトルステッド氏については、報酬の一部を返すことが求められる可能性があります。

2007-08年の世界的な金融危機を見て、アメリカでは非常に厳しい金融規制が導入されました。それでも不正がきたことに金融当局だけではなく、社会全体が衝撃を受けています。


[September 20, 2016]  No 031843495

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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