2分でわかるアメリカ

2016/09/13クリントン氏肺炎、「隠していないか、大丈夫か」

アメリカの同時多発テロから15年。アメリカのメディアは、追悼式典やワールド・トレード・センターの跡地、さらにはテロの脅威のニュースや解説を準備していたと思います。しかし、主要メディアのトップは、体調不良で途中退出したヒラリー・クリントン氏に関する記事やニュースに差し替えられました。

民主党の大統領候補であるクリントン氏は11日朝、ニューヨーク・マンハッタンで開かれた追悼式典に出席しました。到着から約1時間後、取り巻きの記者がクリントン氏の姿がないことに気づきました。現場で撮影された動画には、クリントン氏がシークレット・サービスに支えられながら歩く姿が映っていました。車に乗り込む直前は「意識を失った?」と思えるほどフラフラでした。「大統領の激務に耐えられるのか」との健康問題が浮上しました。

しばらくして、クリントン陣営が「アレルギーに関連した咳の発作に長く悩まされていた後、9日に肺炎と診断された」とする担当医の声明を発表しました。式典の途中で脱水症状を起こしたとしています。抗生物質が処方され、12日と13日に予定されていたカリフォルニアでのイベント出席がキャンセルされました。

クリントン氏は2012年に脳震盪を起こし、血栓が見つかっています。健康問題に加え、「事実を公表してない。隠そうとしている」との疑念も広がりました。メール問題や財団献金者への便宜供与などで不信感が強まる中、肺炎と診断されたのが、発表の2日前の9日だったからです。

クリントン氏は68歳。共和党候補のドナルド・トランプ氏は70歳です。有力候補が2人とも高齢なのは過去に例がなく、クリントン氏の体調不良をきっかけに、トランプ氏の健康問題にも焦点が当たりました。いずれの陣営も、近く医療診断記録の公表を強いられることになりそうです。本選まで2カ月を切りましたが、今後もいろいろありそうです。

[September 12, 2016]  No 031843489

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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