2分でわかるアメリカ

2016/09/09泥沼の減点勝負

アメリカの大統領選挙まであと2カ月。民主党のヒラリー・クリントン前国務長官と共和党のドナルド・トランプ氏の2人の主要候補による「泥沼」と言えるほど醜い批判合戦が続いています。

NBCが昨夜、2人の候補を別々に招き、安全保障問題に関する見解を聞きました。クリントン氏は、トランプ氏がイラクに地上軍を派遣すると主張していることについて「何もわかっていない。危険すぎる」と批判。これに対しトランプ氏は「オバマとクリントンの外交政策は最悪だ」と反論しました。

NBCのモデレーターは番組の中で、クリントン氏が国務長官時代に個人メールを使用したことを徹底追求しました。反面、トランプ氏には甘い対応をしました。「公平性に欠ける」などとThe New York Timesなどが指摘。一方、The Washington Postは、トランプ氏が軍幹部を解任すると発言したことについて 「大統領と軍の関係を理解しているか疑問だ」とするコラムを掲載しました。

選挙戦は、ウォール街が確信するほどクリントン氏が優勢になっていました。しかし、9月に入り、支持率が再びきっ抗してきました。CNNとORCによる最新の世論調査では、トランプ氏が2ポイント差でリードしました。

世論調査の変化は、トランプ氏の支持率が上がったというより、クリントン氏の人気が落ちたと見た方が良さそうです。クリントン財団に寄付をした複数の外国人に便宜供与したことが発覚。「メール問題」も影響して「クリントン氏は信用できない」と考える有権者が増えています。トランプ氏は引き続き「敵を作りやすい」発言を繰り返しています。今年の大統領選は、「嫌われものどうしの争い」という歴史的にも珍しい選挙になっています。「減点勝負」とも言えます。

ただ、世論調査が選挙結果に直接反映されるわけではありません。大統領選の仕組みは特殊で、全体の得票ではなく、獲得した州の選挙人数で決まります。カリフォルニアは民主党、テキサスは共和党などと「イロ」がはっきりしている州もありますが、ノースカロライナやオハイオなどはどちらにも動く「スウィング州」で、激戦になっています。大統領選は終盤に入りましたが、まだまだ「ドラマチックな展開」がありそうです。

[September 08, 2016]  No 031843487

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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