2分でわかるアメリカ

2016/08/27「フィンテックの衝撃 6」またガラパゴス?

大手コンサルティング会社のアクセンチュアの調査によりますと、2015年の日本のフィンテックへの投資額は6500万ドル(約65億円)でした。世界トップのアメリカの200分の1。中国の投資額の30分の1でした。日銀が4月に「フィンテックセンター」を設置しましたが、世界の潮流に完全に乗り遅れたことは明らかです。

海外送金する際、「SWIFTコード」を銀行の担当者から聞かれます。SWIFT(スイフト)は、Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunicationの略語。日本語では「国際銀行間金融通信協会」と訳されます。1973年にベルギーのブリュッセルに設立された組織で、世界の金融機関に安全性が高い通信手段を提供しています。コードで金融機関を即座に認識でき、いまでは海外送金などのグローバル・スタンダードになっています。

SWIFTの技術革新部門である「イノトライブ」は、イギリスのフィンテック業界団体「イノベート・ファイナンス」と連携、世界のフィンテック会社の協調を目的にした組織を来月立ち上げる計画です。25日に正式に発表されました。

GFHF(グルーバル・フィンテック・ハブズ・フェデレーション)の設立会合が9月26日と27日にスイスのジュネーブで開かれます。イギリスのほか、スイス、ドイツ、カナダ、中国、シンガポール、オーストラリア、ケニア、トルコなど20カ国以上のフィンテック会社が参加します。シリコンバレーのフィンテック企業の一部も参加する方向です。

金融とITを融合、古い体質の金融を革新的に変えるフィンテックは、ニューヨーク、シリコンバレー、ロンドン、シンガポールなどが優位性を求めて競い合ってきました。GFHFは、競争よりも協調、連携を優先します。

GFHFが、SWIFT同様に世界のスタンダードになるかどうかはわかりません。アメリカが積極的に参加するかどうかにもよると思いますが、その可能性が極めて高いと言えます。「ガラパゴス」と呼ばれるように、独自に進化することが多い日本が参加するかどうかは不明。また乗り遅れるような気がします。

[August 26, 2016]  No 031843479

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.12.14 更新アメリカのガラパゴス日本に帰国する際は非接触型ICカードを使っています。JR東日本のSuicaや首都圏の地下鉄やバスで利用できるPASMO。コンビニや自販機でも使えて便利だと思いま…
  • 2018.12.13 更新FRBの利上げけん制、最後のプッシュアメリカのトランプ大統領が11日、ロイターのインタビューを受けました。ウォール街で話題に。金融情報に強い通信社による単独インタビューのため、慎重に準備したことが…
  • 2018.12.12 更新ホワイトハウスの重要ポスト先週末まで、「ホームランド」をアマゾンプライム・ビデオで毎日観ました。2011年から放送されているCIAエージェントのテロリストとの戦いを描いたテレビドラマで8…
  • 2018.12.11 更新中国がiPhone差し止め、微妙なタイミング中国の福建省福州の裁判所が、特許侵害をめぐるクアルコムとの訴訟に関し、アップルのiPhoneの輸入と販売を差し止める仮処分を下したことが明らかになりました。クア…
  • 2018.12.08 更新2019年のFRB、世界経済、投資マーケットの2018年のテーマは、堅調なアメリカ経済、利上げを継続するFRB、トランプ政権の保護主義的な政策でした。トランプ大統領やFRBのパウエル議長の発言で…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ