2分でわかるアメリカ

2010/10/06アメリカ株式会社は危ない?


ベテラン証券マンで、ニューヨークを拠点に日本の機関投資家や日本人個人投資家向けに証券会社を経営しているマンハッタン・グローバル・フィナンシャルの森崇さんは、今年6月に「危ない会社の見分け方」という資料を投資家向けにまとめました。

投資する前にチェックする50項目を挙げたものですが、この9項目目に「幹部社員に退職者が相次ぐ」とあります。森さんはこの中で、優秀な役員や幹部社員が退職すると、会社の経営・業績に影響が多いということを指摘しています。

もし国家が企業と想定すればどうか。世界最大の時価総額はもちろんアメリカ合衆国です。CEOはオバマ大統領。財務担当役員は財務長官、戦略担当役員は大統領首席補佐官、経理部長は行政管理予算局長、そして事業戦略担当役員が国家経済会議委員長でしょうか。  

ガイトナー財務長官は合衆国株式会社に残りましたが、戦略担当のエマニュエル首席補佐官が先週辞任、経理担当のオルザグ行政管理予算局長は7月に退任、そして事業戦略のサマーズ委員長は年末までに辞任することを発表しています。

合衆国株式会社のキーパーソンが相次いで辞めたことについて、「景気が改善せず国民の不満が高まり、中間選挙で負けそうだから」とか、「オバマ大統領が中道寄りになり意見が合わなくなったため」とか、「景気減速の責任をとらされた」などいろいろな意見が出ています。おそらく、それぞれ少しずつ正しいのではないでしょうか。

「危ない会社」の多くは、いずれ破たんします。または、トップが入れ替わり再建を目指します。アメリカ合衆国株式会社は財務状況も悪化しています。オバマ大統領の支持率が50%を切っているのは、「危ない会社の見分け方」の最初のチェック項目である「社長に経営者としての能力、資質があるか」を疑うアメリカ人が増えている兆候とも言えます。

[October 05, 2010] No 010262

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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