2分でわかるアメリカ

2016/08/12高値更新も資金流出

アメリカの株式相場が最高値水準で推移しています。ただ、ソロス氏をはじめ大物投資家は株式相場の先行きに悲観的だと伝えられています。そして、一般投資家や機関投資家の多くも株式に慎重になっていることを示す新たなデータが出ました。

FTFGIによりますと、今年上半期に世界の株式ETFに新規に流入した額は150億ドルでした。去年の上半期は1020億ドルでしたので、約85%減少した計算です。株式相場が今年の1月と2月に非常に不安定になったこと、EU離脱の是非を問うイギリスの国民投票が6月に実施されたことなどが影響しているとみられます。

また、ファンド業界の情報を提供しているICIによりますと、8月3日に終わった週は、アメリカの株式ファンドから74億ドルの資金が流出しました。S&P500は7月はじめに最高値を更新しましたが、それ以降、1カ月間で374億ドルの資金がミューチュアル・ファンドなどから流出しました。

その反面、債券市場には資金が流入しています。ICIによりますと、先週は80億ドルが流入。過去1カ月で約2780億ドルの資金が米国債や社債市場に流入しました。利回りが低下傾向にあるのは、そのためです。

リスクが高いとされる株式から安全な資産とされる債券への資金の大幅シフト。背景には、多くの投資家が「不透明感」を感じていることがあるとみられます。

エドワード・ジョーンズのストラテジストは、ダウが来年、2万ポイントまで上昇するとCNBCにコメントしました。ただ、アメリカの株式相場がさらに上昇するには、新規の買い手が必要だとデータが物語っています。

 [August 11, 2016]  No 031843469

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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