2分でわかるアメリカ

2016/08/096人のスティーブとトランプ氏

「Hillary’s America(ヒラリーのアメリカ)」という映画を週末に家族で見ました。ドキュメンタリー映画なので期待値が低かったのですが、完成度が高いので少し驚きました。

映画を見て、民主党の大統領候補であるヒラリー・クリントン氏の嘘、ハイチ地震の被害者を支援にするために集めた日本円に換算して100億円以上のお金をクリントン財団の金庫に入れたことがよくわかりました。民主党のルーツが人種差別にあることもわかりました。インド人の監督が描いた映画はバイアスが強いため、割り引いて見る必要がありますが、それでも事実に近いのではないかと感じさせる力が映画にはありました。

上映後に大きな拍手が沸き起こりました。ボックス・オフィス・モジョによりますと、Hillary’s Americaの興行成績は1100万ドル。この手の映画としては異例のヒット。映画を見た人はクリントン氏に投票しないと思います。それでは、共和党の大統領候補のドナルド・トランプ氏に票を入れるか。「景気が良くなる」と思わせるかどうかにかかっています。

トランプ氏は先週5日、経済政策を助言する諮問機関のメンバー13人を発表しました。トランプ氏は不動産事業でビリオネアになりましたが、13人のメンバーはヘッジファンド経営者や銀行家ら、ビリオネアがずらりと並びました。

経済顧問13人はいずれも男性。しかも、プライベート・エクイティ大手サーベラスのスティーブ・フェインバーグCEOをはじめ6人のファーストネームが「スティーブ」でした。白人の典型的な名前。女性はゼロ。「あまりにも偏っている」として、有権者のボリュームゾーンである中間層の票を失いかねないとの批判が早くも出ています。

失言、暴言が影響して、トランプ氏の支持率が大きく低下しました。共和党の元大統領候補のフォーブス氏がCNBCに出演、「トランプ氏のキャンペーンは多くのトラブルを抱えていて、運動方針を変えるべきだ」と述べました。フォーブス氏のファートネームも「スティーブ」です。「スティーブ」の助言でトランプ氏が軌道修正できるかが注目です。トランプ氏は8日、デトロイトで演説、育児減税や法人税率の引き下げなどを含めた税制案を発表しました。

 [August 08, 2016]  No 031843466

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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