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2016/08/06「お金持ちの掟128」ビリオネアが怖いと感じる

民主党の大統領候補に正式指名されたヒラリー・クリントン前国務長官は、先週の党大会での受諾演説の中で「所得増加分の90%がトップ1%に行っている」とお金持ちを批判しました。これについてCNBCは、統計では増加分の50%程度しかお金持ちに行っていない、として事実と異なると解説しました。

事実がどうであれ、「大きな政府」を目指す民主党は、低所得者と中間層、そしてマイノリティの味方であり、お金持ちに厳しい政策を伝統的に主張してきました。このため、特に白人のビリオネア、マルチ・ミリオネアの間では、共和党支持者が多くなっています。

ところが今回の大統領選は違います。ビリオネアが相次いで民主党のクリントン支持を表明しているとCNBCが伝えました。共和党のライアン下院議長の言葉を借りれば、クリントン氏は「非常に弱い大統領候補」です。あえてビリオネアがクリントン氏を支持するのは、共和党の大統領候補のドナルド・トランプ氏の失言、暴言に耐えられなくなったからです。ビリオネアの反乱

フォーブスの統計で個人資産が483億ドル(約4兆9266億円)あるマイケル・ブルームバーグ氏は、民主党の党大会で演説。「トランプ氏は危険、大統領になるのを阻止する必要がある」と呼びかけました。

「投資の神様」とも呼ばれる富豪のウォーレン・バフェト氏は今週、クリントン氏の選挙運動に参加しました。トランプ氏が所得申告書を開示していないことや、イスラム教徒の米兵遺族を侮辱したことを激しく批判しました。バフェット氏の個人資産は推定640億ドル(約6兆5280億円)。

さらに、個人資産が32億ドル(約3264億円)とされるビリオネア起業家のマーク・キューバン氏もクリントン支持を表明しました。「トランプ氏が恐ろしすぎる」というのが理由です。事実関係には疑問がありますが、ロシアのプーチン大統領との友好関係を強調するトランプ氏を皮肉りロシア語で挨拶しました。

先週お伝えしましたように、ビリオネア投資家のジョージ・ソロス氏は、クリントン氏と民主党に多額の寄付を約束しました。

不動産事業で富を築いたトランプ氏もビリオネアです。トランプ氏自身は「100億ドル(約1兆200億円)の男」と主張していますが、フォーブスのデータでは個人資産額は45億ドル(約4590億円)となっています。トランプ氏よりお金持ちのバフェット氏、ブルームバーグ氏、ソロス氏がクリントン支持に回ったことが大統領選にどう影響するのかは不明です。少なくとも話題にはなっています。


[August 05, 2016]  No 031843465

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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